インランドタイパンのすべて
猛毒ヘビ(タイパン)の毒と毒性

インランドタイパンは、毒蛇界ナンバーワンの強毒の持ち主です。インランドタイパンの生態と毒性について観てみましょう!

毒蛇インランドタイパン/強い神経毒をもつ
世界最強の毒蛇・インランドタイパン。マムシの800倍の強い毒性を持つ。
(画像提供:scribol.com)

世界の毒蛇の中でもっとも毒が強く、危険な毒ヘビとして名高いのはタイパンの仲間ですが、インランドタイパンはその中でも最強かつ最恐の毒蛇です。

インランドタイパンの毒は、世界の猛毒生物ランキングで第10位、毒蛇部門では堂々の第1位にランク付けされています(⇒世界最強の毒蛇ランキング トップ50)。

その毒性は、ニホンマムシのそれの800倍もの強毒です。

インランドタイパンはオーストラリアの内陸部に棲み、非常に攻撃的な性格とも相まって、住民から恐れられています。

世界一の毒蛇・インランドタイパン

インランドタイパンとは

インランドタイパン
(画像提供:CAIRNS Tropical ZOO)

インランドタイパンは、オーストラリアの内陸部に生息するコブラ科の毒蛇で、世界一の猛毒をもった毒蛇であることが知られています。生息地にちなみ、ナイリクタイパン(内陸タイパン)とも呼ばれます。

近縁種のタイパン(別名:コースタルタイパン)は、全長が最大3.4mにも達し、コブラ科のヘビではキングコブラ、ブラックマンバに次いで3番目に長くなる大型種です。インランドタイパンはコースタルタイパンよりもやや小型ですが、それでも体長は最大2mにも達します。
タイパンの仲間は動作が俊敏で攻撃的だとされ、強い毒を大量に持っていることもあって非常に危険な蛇です。

インランドタイパンの体色

インランドタイパンの体色は、黄褐色からオリーブグリーン、黒褐色のものまで多彩で、なかには黒色斑が散在する個体も見られます。

面白いのは季節による衣替えがあることです。
インランドタイパンは季節によって皮膚の色が変わることでも知られ、冬は濃い色になって早く体温が上がるように、夏は体温を下げるために薄い色になり熱を発散しやすくします。

インランドタイパンの毒

インランドタイパンの毒は非常に強く、その主成分はコブラ科のヘビに共通な神経毒です。ただし、出血毒や溶血毒も含んでいるといわれ、それぞれが必殺の威力をもっています。

上述の「世界最強の毒蛇ランキング トップ50」によると、インランドタイパンの毒性は、半数致死量LD50が0.025mg/kgと非常に強く、この値はマムシ(LD50=20mg/kg)の800倍に相当します。

半数致死量が0.025mg/kgということは、わずか0.025mgの毒量でマウス50匹(1kg)の半数、すなわち25匹を殺せるということです。インランドタイパンが体内に蓄えている毒量は100mg程度とされているので、それだけで10万匹のマウスを殺せる計算になります。

こんな猛毒蛇に人間が咬まれたら大変です。
実際、毎年60名ほどがインランドタイパンに咬まれて病院に担ぎ込まれています。ただ幸いなことに近年は血清が整備されていて、死にいたる最悪のケースはほとんどないようです。

野生のタイパンに出会ったら

野生のタイパンに出会ったら
自然散策中にインランドタイパンに出会うこともある・・・
(画像提供:ケアンズ eye)

インランドタイパンは基本的に昼行性です。乾燥した草原や岩場で、餌となる小動物を求めて徘徊しています。

あなたがオーストラリアに行って、もしもアウトドア派だとしたら、豊かな自然を求めて草原地帯を歩いてみたくなるかもしれません。そこに危険が潜んでいます。
インランドタイパンに遭遇することがあるかもしれません。充分に注意しましょう。

ただ、野生でインランドタイパンに遭遇したとしても慌てることはありません。
よっぽど追い詰めたりしない限り、彼らから攻撃してくることはありませんので、静かにその場を立ち退けば危険は回避されます。

良い写真を撮ろうなどと思って、近寄ってはいけません(笑)
「君子、危うきに近寄らず」です。

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