磯遊びの極意 潮溜まりの貝
(イボニシ・マツバガイ・ヒザラガイほか)

磯遊び 食べられる貝~潮が引いたあとの岩の窪みにいる貝はどれも食べられます。獲った貝は家に持ち帰って食べちゃいましょう。おいしいですよ。

潮溜まり(タイドプール)での磯遊び。潮が引いたあとの岩の窪みや潮溜まりにはたくさんの種類の貝がいます。
磯の潮だまりや岩の窪みにはたくさんの種類の貝がいます。
(画像提供:SIZEN GaTe)

三浦半島には美しい岩場が続く海岸が随所にあります。

こういった海岸で、満潮のときには海中に隠れ、干潮になると海面から上に姿を表す部分を「潮間帯」といいます。

この潮間帯にはたくさんの種類の貝が生息しています。
イシダタミガイ、イボニシ、マツバガイ、ヒザラガイなどなど。これらの貝は全部食べることができます。

潮間帯の貝は漁師さんたちは一般に獲りませんので、少量なら家に持ち帰っても問題ないでしょう。

塩茹でにするとビールのつまみになります。ほんのりと磯の香りがする珍味です。
ただ、潮溜まりで遊んだり貝類を観察するだけが目的なら、獲った貝は最後には元の位置にすべて返してやりましょう。

獲った貝は食べちゃおう!

潮間帯の貝類

干潮の時に岩の窪みや潮溜まり(タイドプール)で見られる貝類です。たくさんの種類がいますが、遊びに夢中で写真をあまり撮っていませんでした。とりあえず写真があるものだけ載せますね。順次追加していきます。

イシダタミガイ
潮溜まりの貝/イシダタミガイ
名前が示すように、貝殻の表面にレンガを敷き詰めたような石畳模様があります。 2cm程度の小さな巻貝ですが、食べるとおいしい貝です。
干潮の時には岩の割れ目やくぼ地、石の下などにたくさん群れています。潮が満ちてくると真っ先に動き出し、波打ち際を動き回ります。動く速度はビックリするくらい速い。
イボニシ
潮溜まりの貝/イボニシ
潮間帯の岩場でも少し波のしぶきがかかるような岩を好んで生息しています。ただし、干潮時にカラカラに乾いた岩場にいることもあります。
塩茹ですると少し苦味がある独特の味がします。私はこの味が大好きです。
イボニシは肉食性の貝で、体の中に蓄えた酸を使って他の貝に穴を開けて肉を食べます。養殖のカキなどを襲う有害種の貝として漁業者には嫌われています。食べた時の苦味はこの酸のせいだそうです。
イソニナ
潮溜まりの貝/イソニナ
塩茹でするとヌルヌルした食感があります。意外とおいしくて、わが家では人気のある貝です。
潮間帯の岩の割れ目や窪地などに普通に見られる細長い巻貝です。群生していることが多い。
食性は雑食性とのことですが、潮溜まりで魚の切り身などを与えると、たくさん寄り集まって採餌するのが観察できます。
マツバガイ
潮溜まりの貝/マツバガイ
どこの磯でも普通に見つけることができます。殻長7センチ前後になる大型の貝で、見栄えがいいため獲りたくなります。獲る時はマイナスドライバーなどを使って岩から剥がします。素早くやらないと岩にきつく吸い付いて、獲りにくくなります。
マツバガイは、塩茹ですると身が小さく縮んで、殻から自然に外れます。あまり茹ですぎると身が小さく・固くなりますので、茹ですぎないように、身が殻から外れるとすぐにお湯から取り出します。塩茹でが一番シンプルでおいしいのですが、マヨネーズをつけてたべてもグッドです。
ウノアシ
潮溜まりの貝/ウノアシ
マツバガイと同じように岩に張り付いています。ウノアシとは「鵜の足」からきた名前で、水かきが付いた鳥の足にそっくりな形をしています。
私はこの貝を食べたことがありません。岩場にはたくさんいるのですが、どうも獲る気がしなくって、いつも観察するだけで終わっています。
地域によってはこの貝をみそ汁の具にして食べているようです。今度磯に行ったときは、獲ってみようと思います。
ヒザラガイ
潮溜まりの貝/ヒザラガイ
体の周囲がコケ状の黒いヒゲで覆われて、虫のような、少し気持ち悪いグロテスクな形をしています。
獲る人が少ないせいか、どこの磯に行ってもこの貝がやたら目に付きます。貝殻は7~8枚の小片に分割されていて、岩から剥がすとダンゴ虫のように丸くなります。
私はこの貝は獲りませんが、父は獲っていました。だから何回か食べたことはあります。一旦ゆでたあと殻とヒゲを手でそぎ落とし、甘辛く煮付けて食べました。 歯ごたえのある食感でとてもおいしかった記憶があります。
カメノテ
潮溜まりの貝/カメノテ
正確にいうと貝ではなく、エビやカニなどと同じ甲殻類に属します。フジツボの仲間です。
潮間帯の岩の割れ目に群生しています。小さいフジツボに傷を付けないように注意して、マイナスドライバーなどで大きいものだけを採取します。
エビやカニとの同類だけあって味はピカイチです。塩茹でして、袋状の柄の中にある肉を食べます。脂肪質の、コクのある独特の旨さです。
ただ残念ながら、先端の爪の部分は食べられません(カメノテの触手です。食べてもいいですが、ジャリジャリした食感でおいしくありません)

獲った貝の調理法

潮間帯で獲った貝はとても小さくて見栄えはしません。でも味はとてもいいです。アワビやサザエにも負けないような良い味をしています。

塩茹でして食べるのがポピュラーですが、そのほかにも味噌汁の具にしたり、貝の身を取り出したあと煮付けたりと、いろいろに調理されます。
好みはいろいろでしょうが、私は塩茹でが一番おいしいと思います。素朴で、野趣があって、磯の香りがします。皆さんもぜひ試してみてください。

三浦半島「荒崎」の磯で獲った貝です

荒崎の磯で獲った貝

潮間帯の貝ですのでとても小さいのですが、これでも「立派な貝」です。
一回で食べきれる量だけを家に持ち帰ります。


家に持ち帰った貝は、水道水でよく洗って汚れや砂粒等を取り除いたあと塩茹でにします。
塩茹でするときは、1~2%程度の食塩水で茹でるとおいしくいただけます。海水の塩分濃度が約3%ですので、海水よりも幾分薄めの塩味を心掛けて茹でれば失敗はしないでしょう。

貝は沸騰水の中に直接投入してはいけません。身が殻の中に深く入って、取り出しにくくなります。鍋の中の冷水で少し遊ばせておいて、貝が動き出してからゆっくり煮始めるのがいいでしょう。
沸騰して約10分でおいしい貝の「塩茹で」が出来上がります。

塩茹でした貝です

塩茹でした貝。お皿に盛ればちょっとした磯料理

茹でた貝はザルにあけて水気を切ります。
お皿に盛り付ければちょっとした「磯料理」の完成です。

待ち針か爪楊枝を貝のふたの隙間に突き刺して、身を巻き込むようにグルグル回して貝殻から引き出して食べます。


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