海の危険な魚
毒棘や鋭い歯をもつ危険な魚の図鑑

海の危険な魚~海には、アカエイやミノカサゴなどヒレに猛毒がある魚や、ウツボなど鋭い歯を持った危険な魚がいます。場合によっては死に至ることもあるので十分な知識と注意が必要です。

海の危険な魚

海の危険な魚/トゲに猛毒があるエイ
浅海に潜むアカエイ。しっぽの途中に鋭い毒棘を持つ。
(画像提供: National Geographic)

2006年9月3日、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
人気テレビ番組「クロコダイル・ハンター」の主任ガイドを勤めるスティーブ・アーウィン氏(44歳)が、アカエイに刺されて死亡したのです。

オーストラリアのグレート・バリア・リーフで番組収録中に、アカエイの毒棘(トゲ)で胸部を刺されました。すぐに調査船に引き上げられましたが、すでに心肺停止状態にあり、同船していた医師も蘇生させるには至らず。救難ヘリが到着したときにはすでに絶命していたようです。

この事故で、毒魚としてのエイの恐ろしさが改めて認識されました。
海は心安らぐ楽しい空間ですが、危険な生物もいっぱいいます。アウトドア趣味を楽しむからには、私たちもその危険性を十分に認識しておく必要があります。

※ここでは、海の危険生物のうち「危険な魚=魚類」を採りあげています。魚類以外の「海の危険生物」については、下記ページをご参照ください。
 ⇒海の危険生物 | 死ぬほど危険な海の生物(魚類以外)

海は楽しい反面、危険もいっぱい

釣りやダイビング、磯遊びなど、私たちは普段から海で遊び、海の生物に直接触ったり眺めたりして楽しんでいます。これらの生物の中には、棘などで刺されると場合によっては死に至るような重篤な被害を受けるものもいます。

上述のエイによる刺傷事故はその一例です。
エイだけではありません。オコゼやミノカサゴ、ゴンズイなど、鰭(ひれ)に毒棘をもった刺毒魚はたくさんいます。また、ウツボなど鋭い歯を持った危険な魚もいます。

自分が遊ぶ範囲内でいいですから、そこに生息していると思われる危険な魚を認識して、知識として頭の片隅に蓄えておきましょう。
この知識がなかったばっかりに、私は一度ミノカサゴに刺されて、えらい目にあいました。

海の危険な魚(魚類)

釣りや海遊びで気をつけなければならない危険な魚の一部です。私たちが普段利用する海域に当たり前にいる魚たちばかりです。その特徴をよく記憶して、海遊びで自分の身を守るために役立ててください。

アカエイ
海の危険な魚/アカエイ
本州中部以南の砂泥地の海底にすみ、釣りや地引網で獲れるほか、海水浴や潮干狩りでも見かけることもあります。日本沿岸で最も普通に見られるエイです。
しっぽの途中に鋭い毒の棘を持っおり、刺されると大変危険です。アカエイは本来おとなしい魚で、エイのほうから人間を襲ってくることはありませんが、手で触ったり足で踏んだりすると刺されることがあります。
刺されると数分で激しい痛みと腫れが出始めます。重傷の場合は血圧低下・呼吸障害を起こし死に至ることもあります。
 ⇒詳しくは: 海の危険な魚 アカエイ
オニダルマオコゼ
海の危険な魚/オニダルマオコゼ
オニオコゼの仲間は背ビレに強力な毒の棘があります。特にオニダルマオコゼは要注意。魚では1~2位の強さといわれる強力な毒で、死者もでています。
暖海性の魚で、和歌山県以南のサンゴ礁や岩礁または砂地に生息しています。磯の岩そっくりの姿をしていますので目視確認が難しく、ダイビング中に誤って手や足を刺されることがあります。この魚を踏みつけると、ダイビングブーツさえも突き抜けて、足の裏を深く刺されます。遊泳中に岩に手を付いたり、立ったりする時にはくれぐれも注意しましょう。
 ⇒詳しくは: 海の危険な魚 オニダルマオコゼ
ミノカサゴ類
海の危険な魚/ミノカサゴ
長い飾りびれがある美しい魚ですが、背ビレと胸ビレとに毒のトゲがあり、刺されると激痛に襲われます。死に至ることはないようですが、患部は赤く腫れ上がり、ひどい時にはめまい、吐き気を催します。
毒で武装していて余裕があるせいか、ダイビング中に近づいても、悠然と泳いでいて逃げません。岩棚にいてもじっとしています。
簡単に手づかみできそうですが、いたずらは厳禁です。「逃げない魚には毒がある?」絶対に手を出してはいけません。
 ⇒詳しくは: 海の危険な魚 ミノカサゴ
アイゴ
海の危険な魚/アイゴ
関東以南の暖海のサンゴ礁や岩礁に生息しています。磯魚特有のにおいがあるが、肉質は白身魚でおいしい。そのため定置網や地引き網などで捕獲されるほか、地方によっては釣りの対象魚にもなっています。
背ビレ、腹ビレ、尻ビレに太くて鋭いトゲがあり、それぞれのトゲに毒腺があります。
気をつけなければならないには釣りの外道として釣れた場合です。アイゴと知らないで触って刺されることがあります。このとげに刺されると数日間は痛みと腫れが続きます。
 ⇒詳しくは: 海の危険な魚 アイゴ
ゴンズイ
海の危険な魚/ゴンズイ
海にいるナマズの仲間です。暖海性の魚で、関東以南の浅い海に生息しています。岩礁地帯や防波堤の窪地などで、数十匹から百匹ぐらいの群になって泳いでいます。
背ビレと胸ビレに強い毒のトゲを持ちます。海の中で泳いでいる状態で刺すことはありませんが、釣り上げたゴンズイを針からはずすときに、危険を知らずに手づかみして刺されることが多くあります。
刺されると激しく痛み、患部は赤く腫れ、重傷の場合は患部が壊死することもあるそうです。
 ⇒詳しくは: 海の危険な魚 ゴンズイ
ハオコゼ
海の危険な魚/ハオコゼ
オニオコゼよりも少しスマートな魚ですが、このハオコゼも岩と区別が付きにくく、しかも背ビレに毒のトゲを持っているので注意が必要です。
浅い岩礁帯や小磯に生息していて、キス釣りの折りや堤防釣りでも釣れることがあります。また、幼魚が潮溜まりの藻などについていることもあります。磯遊びの際に偶然網に入ってきた時には素手で触らないように注意してください。
刺されると少し時間をおいてから痛み出し、通常は1時間か数時間痛みます。
ウツボ
海の危険な魚/ウツボ
毒は持っていませんが、鋭い歯でかまれると大怪我をします。ただ、ウツボのほうから人間を襲ってくることはありませんので、ウツボの顔の前に手を差し出したりしない限り危険はありません。
ウツボはかなり浅い場所にも生息しています。干潮のときに浅場で磯遊びをするときにも、近くの岩にウツボが潜んでいることもあるので注意してください。むやみに岩の割れ目などに手を差し入れてはいけません。
ソウシハギ
海の危険な魚/ソウシハギ
内臓にパリトキシンという猛毒を持つカワハギ科の魚類。形がウマヅラハギ(無毒)に似ていることから、誤って食用にする危険があります。
ソウシハギは亜熱帯海域に生息する魚ですが、近年の温暖化の影響で神奈川県や島根県をはじめ日本各地で目撃されています。特徴は、体色が黄色で、体全体に黒い斑紋と青い波模様があり、うちわのような大きな尾びれを持っています。
パリトキシンは、フグ毒「テトロドトキシン」の約70倍もの強い毒性があります。
 ⇒詳しくは: 海の危険な魚 ソウシハギ

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