ジャイアントケルプの森
ボデガ湾で育つ巨大なケルプの画像
ジャイアントケルプはアラスカ半島からカリフォルニア湾にかけて生息する巨大な海藻(コンブ)です。世界一長くなる海藻として有名で、全長は最大で50メートルにも達します。ケルプの森は海洋生物の楽園です。
海のゆりかご、ジャイアントケルプの森
(画像提供:化学同人)
アメリカ合衆国・カリフォルニア沿岸の海で巨大なコンブ、ジャイアントケルプが育っています。
ケルプは世界で最も成長の早い植物の1種に数えられ、1日に最高で50センチも伸びる種があるそうです。
秋に放出された胞子は、海底の岩場に着底して芽を出したあと、春から夏にかけてグングン成長します。真夏には海面まで届きますが、その後も成長を続けて海面にたなびくように浮かんで長さを増していきます。
ジャイアントケルプの森は、魚や海の哺乳動物たちの格好の棲家です。
滋養豊かなケルプの森。
多様な生物をはぐくむ、海のゆりかごです。
ジャイアントケルプ(giant kelp)
世界最大の海藻(昆布)
ジャイアントケルプは、アラスカ半島からカリフォルニア湾にかけての北東太平洋に主に生息する巨大な海藻(コンブ)です。褐藻類のオオウキモのほか、数種類が知られています。
■海面に向かってのびるケルプ
(画像提供:Nature Scene)
ジャイアントケルプは世界一長くなる海藻として有名で、全長は最大で50メートルにも達します。
カリフォルニア州ボデガ湾周辺でも、見事に生育したケルプの森が見られます。
ジャイアントケルプは秋に胞子を放出して繁殖します。
着底した胞子は春から夏にかけてグングン成長し、真夏には海面まで届くほどの大きさになります。
成長して水面に達したジャイアントケルプは、その後も成長を続け、海面にたなびくように浮かんで長さを増していきます。
ケルプの浮き袋
(画像提供:Nature Scene)
ジャイアントケルプは、茎状部に空気をためた浮き袋が付いているため、海中で直立して浮いていることができます。
浮き袋は葉っぱの付け根、葉と茎をつなぐ部分にあります。
ケルプの生き物たち
ジャイアントケルプの森には様々な生き物が暮らしています。
なかでも有名なのはラッコでしょうか。ほかにも、カリフォルニアアシカやハーバーシールなどの哺乳類、ロックフィッシュなどの魚類、カニ(ケルプクラブ、ロッククラブ)、アワビ、ウニ、ヒトデなどなど、総勢800種にも及ぶ多様な生物が生息しています。
■ケルプロックフィッシュ
(画像:新米主婦のL.A生活体験記)
ケルプの森を悠然と泳ぐケルプロックフィッシュ。
ロックフィッシュとは、カサゴやアイナメ、メバル、ソイ類など、根を棲み家にする魚の総称です。
悪食で、落ちてきたものをとりあえず口に入れようとする魚が多い。下顎が上顎より発達しており、いわゆる受け口になっているのが特徴です。
■ケルプのベッドで休むラッコ
(画像:海の画像のボルボックス)
ジャイアントケルプに包まって浮かぶラッコ。気持ちよさそうですね。
ラッコがケルプを身体に巻きつけて寝ている姿はとても愛嬌があり、テレビでも好んで放映されます。
これは風や波で流されないためのラッコなりの工夫なのだそうです。
それにしてもケルプのベッドがよく似合います。
ハリウッド映画「鳥」の舞台~カリフォルニア州ボデガ湾
ボデガ湾はアメリカ合衆国の太平洋側、サンフランシスコから北西に80kmほどの位置にあります。アルフレッド・ヒッチコック監督の有名な映画「The Birds(鳥)」の舞台となった場所です。
■ボデガ湾 遠景
(画像提供:BodegaBay.com)
写真は、高台から眺めるボデガ湾の風景です。カリフォルニアの美しい海が広がります。
この海中でジャイアントケルプの森が育まれます。
映画「鳥」は1963年の作品で、ボデガ湾沿いの寒村で鳥が人を襲うというサスペンスもの。70年代に量産される動物パニック映画の原点となった作品であり、まさに、鬼才ヒッチコックならではの斬新な視点に基づいた作品でした。
ある日、社長令嬢のメラニーは、ペット・ショップで出会った弁護士ブレナーの家へ向かう途中で不意に1羽のカモメに額をつつかれます。鳥たちの様子がおかしい。児童を大群で襲い、老人を殺し、ガソリンスタンドを攻撃して大火災を起こす・・・。ブレナー宅で鳥の襲撃に遭ったメラニーとブレナーの家族らは、車での脱出を図ります。
この作品で、メラニー役で主演デビューしたティッピ・ヘドレンは、のちに自分の役名を娘メラニー・グリフィスに名づけました。
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