陸の危険な動物 クマ(熊)
ヒグマ ツキノワグマ

毎年100人以上の人が熊(ヒグマ・ツキノワグマ)に襲われて大怪我をしています。どうすればクマに遭遇しないで済むのでしょうか。観てみましょう!

陸の危険な動物 クマ(熊)=ヒグマ ツキノワグマ
春と秋はヒグマやツキノワグマによる死傷事故が多い。
(画像提供:@wiki)

年間40万人のハイカーでにぎわう尾瀬で、1999年6月6日、木道を散策中の夫婦がツキノワグマに襲われ顔や腕などに重傷を負う事故がおきました。午前7時40分。尾瀬ヶ原の東電小屋から西に約300mの地点でした。

この事故のちょうど1週間前に、私も同じ場所で散策を楽しんだばかりだったので、衝撃の中でTVニュースを見ていました。

尾瀬では以前からツキノワグマの目撃情報が多数寄せられていましたが、実際にハイカーが襲われたのはこのときが初めてでした。
改めて、熊の生息圏と私たちの行動圏とが接近(重複)していることを思い知らされます。

春の山菜採りや秋のキノコ狩り、渓流釣り、キャンプ、ハイキングなど、山林や渓流でのアウトドア趣味を楽しむ場合には十分な注意が必要です。

熊に襲われて死亡する人

熊(ヒグマ・ツキノワグマ)に注意

わが国には、北海道に生息するヒグマと、本州側に生息するツキノワグマがいます。いずれもどう猛で大変危険な動物です。毎年、100人以上の人が熊に襲われて大怪我をしています。

ただ、死亡に至る最悪の事態になるのは意外と少なく、クマに襲われて死亡するのは一年間で2人~数人程度です。スズメバチに刺されて死亡する人が年間平均30人程度であることと比べると、随分と少ない印象を受けます。

ヒグマやツキノワグマによる死亡事故が、スズメバチによる死亡事故よりも少ないのは次のように推察されます。

  • ◇スズメバチのようにアレルギー性ショックで死亡することがない。
  • ◇熊自身も人間が怖く、人の気配を感じると基本的には逃げていくこと。
  • ◇至近距離の遭遇で驚いた熊が専守攻撃を仕掛けてくることがあるが、しつこく攻撃を繰返すことは少なく、一撃のあとは大概逃げていくこと。

ただし、死亡事故が少ないからといっても、いったん熊に襲われると顔や手足、背中などに重篤な被害を蒙ることは避けられません。山に入ったら熊に遭遇しないように、いつも万全の備えをしておく必要があります。

熊(ヒグマ・ツキノワグマ)との遭遇を避けるには

熊による受傷被害を避けるには熊に遭遇しないことが第一
ヒグマの親子 (画像提供:Tomo.Yun)

熊による受傷被害を避けるためには、何といっても熊に遭遇しないことが第一です。仮に熊に出会うことがあっても、100m以上離れて、できるだけ遠くで熊を発見することができれば、静かにその場を離れることも可能です。

尾瀬では、ツキノワグマの出没が多い一部の場所で木道の両側10m幅の草木を刈り込んで、見通しをよくして熊との至近遭遇(ニアミス)を避ける試みもしています。 ただ、基本はツキノワグマに人間が近づきつつあることを前もって知らせて、ツキノワグマの方に逃げてもらうことです。次のような対策が推奨されています。

  • ◇山には必ず複数人でいく(話し声で熊に知らせる)
  • ◇熊鈴や笛、ラジオなど音の出るものを身に付ける
  • ◇川音や風の音がある場所では意識して大きめの音を出す

熊被害/春と秋が特に危険

ヒグマやツキノワグマとの事故・被害が多く、最も危険な時期は、春(5月~6月頃)と秋(10月頃)です。この季節は特に注意して下さい。

ブナの新芽
ブナの新芽

春は冬眠から目覚めた熊が、空腹を満たすために木の芽やタケノコなどを大食いします。私たちが山菜を採る場所は、ちょうど熊たちにも好都合な「狩り場」なのです。熊の存在に気が付かないでうっかり近づくと、えらい目にあいます。


熊の好物 ドングリ
熊の好物 ドングリ

一方、秋はキノコ狩りのシーズンです。おいしいキノコをもたらしてくれる広葉樹林は、熊たちの食欲を満たす豊穣の大地でもあります。
この時期、熊は冬眠に備えて大好きなブナやミズナラの実(ドングリ)、アケビや山ブドウなどの果実をたくさん食べます。


採食中の熊は夢中になっていて人に気づかないことがあります。また、近くに谷川がある場合には、水音が邪魔して熊に人の気配が届かないこともあります。私たち人間の方でもしっかり警戒していなければなりません。

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ヒグマとツキノワグマ

ヒグマ

ヒグマ
ヒグマ (画像:TOMORROW is LIVED)

ヒグマは、ホッキョクグマと並んでクマ科では最大の体長を誇り、オスの成獣で体長3m、体重は500kgにも達します。日本では北海道だけに生息しています(エゾヒグマ)。

ヒグマの食性は雑食性ですが、サケやマスなどの魚類のほか、シカやイノシシなどの大型哺乳類も捕食します。まれに人を襲うこともあります。

日本でも三毛別羆事件(大正4年。胎児含む7名死亡、他3名重傷)など、悲惨な熊被害がときおり発生しています。駆除した熊を解剖すると、胃の中から人間の手や毛髪が出てきたこともあったようです。ヒグマにとっては、時として人間も、餌のひとつであることに変わりはありません。


ツキノワグマ

ツキノワグマ
ツキノワグマ(画像:同上)

ツキノワグマは、日本では本州と四国に生息しています(九州は2012年に絶滅認定)。胸に三日月形の白い模様があるのでツキノワグマと呼ばれています。

ツキノワグマは体長100~180cm程度、体重は50kg~150kg程度で、ヒグマと比較するとずいぶんと小型種です。食性は雑食性で、木の実、果実、木の芽、昆虫、動物の死骸などを食べています。人間の出すゴミも大好物で、人間が食べ残したものは何だって食べてしまいます。人里に下りてきてゴミ集積場を漁ったりして問題となっています。

ツキノワグマは、食べるために人間を襲うことはまずありませんが、死骸であれば人食いもあり得ます。人が山で遭難した場合などは、遺体が野生動物(ツキノワグマ含む)によって激しく損傷されていることもよくあります。


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