ヒグマ ツキノワグマ
万一 熊に襲われたら・・
熊に襲われたときの対処法~山歩きをしていて万一クマに出会ったらどうするか? 命を守るためにどうすべきか? 観てみましょう!
春と秋はヒグマやツキノワグマによる死傷事故が多い。(画像提供:@wiki)
年間40万人のハイカーでにぎわう尾瀬で、1999年6月6日、木道を散策中の夫婦がツキノワグマに襲われ顔や腕などに重傷を負う事故がおきました。
尾瀬では以前からツキノワグマの目撃情報が多数寄せられていましたが、実際にハイカーが襲われたのはこのときが初めてでした。
改めて、熊の生息圏と私たちの行動圏とが接近(重複)していることを思い知らされます。
山歩きをしていて、万一、クマと鉢合わせしたら、私たちはどう対処したらいいのでしょうか?
有名な俗説に「死んだふりをする」というのがありますが、どうやらこの説は間違いのようです。
死んだふりをしても、クマは、襲うときには襲ってきます。
それではどうすればいいのか? 考えてみましょう。
熊との遭遇機会が増えて来た!
クマ異変(ヒグマ・ツキノワグマ)
里山のカキ
熊は全国的に生息数が減少傾向にあるといわれていますが、反面、北陸地方や、長野をはじめとして各地で最近ツキノワグマやヒグマが人里に出没して問題になっています。
日本を代表する別荘地の軽井沢でも、別荘の周りや街の中までツキノワグマが出現して住民を不安がらせています。
なぜ熊は人里に下りてくるのでしょうか?いろいろなことがいわれています。
- ◇ブナやミズナラの実が不作の年に餌を求めて里に下りてくる。
- ◇熊漁(巻狩りや鉄砲)で追われた経験がなく人間を怖いものと思わない新世代グマが多くなった。
- ◇ごみ集積所などでの人間の出すゴミの味を覚えた。
- ◇山村が荒廃、無人化し、柿や栗などのおいしい果実が手に入れやすくなった。
多分これらすべてが原因となっているのでしょう。人間側に起因したものもいくつかありそうです。
万一熊に襲われたらどうするか(Joke)
至近距離で人と熊とが遭遇した場合、熊は驚いて人間を襲う場合があります。万一このような事態に遭遇したらどうするか?
もう、怖くって逃げるしかないんですが、以前に北海道観光をしたときにバスガイドさんが次のような貴重なアドバイスをしてくれました。笑い話です。
「ヒグマに襲われたときは逃げてはダメです。死んだフリをしても助かりません。
一番いいのは冷静を装うことです。」
「ポケットからティッシュペーパーを取り出してください。
それをできるだけ小さくちぎります。」
「うまくちぎれたら、それをヒグマの鼻先めがけてフワーと投げつけます。」
「そうしたらヒグマは、『あ~雪だ!早く帰って冬眠しなきゃ』と、急いでその場を立ち去るはずです。」
「あなたは助かるんですよ・・・フフフ」
ちなみにガイドさんは「なるべく真似をしないように」と言っていました。「成功するかどうかは保障はしない」とも・・・(笑)
万一熊に襲われたらどうするか(こちらは本番)
ところで、本当に熊(ヒグマ・ツキノワグマ)と鉢合わせをしたらどうするか?
このときは肝を決めて、あわてず騒がず熊と対峙するしか方法はなさそうです。
- ◇熊を睨み付けて、視線をはずさずにゆっくりと後退する。
- ◇背中を向けたり、走って逃げたりしない。
- ◇それでも襲ってきたらリュックを振り回して抵抗する。
- ◇最後の手段は、倒れ込んで両足を抱え込むように体を丸め、両手を首の後ろに組んで動かない。頭と首(頚動脈)と腹部をしっかり防護して命を守ります。
最悪なのは立ったままで頚動脈に一撃を食らうことです。
この勝負はどう見ても熊の勝ちですから、最後はある程度の怪我を覚悟して、命を守る作戦に出るしか選択肢はありません。一撃さえ終れば、熊も本当は逃げるのが目的ですから、早々に退散してくれるはずです。
なお、熊よけスプレーなども市販されていますが、このような緊急事態で本当にリュックサックの中から取り出せるのかは疑問です。入山する前にはいつでも取り出せるように、リュックサックの外にぶら下げて歩くようにしましょう。
火災訓練での消火器の使用練習と同じように、熊よけスプレーも何度か噴霧訓練をして、万一に備えることも大事です。この際、訓練による何百円かの無駄遣いは、命を守るためには止むを得ません。
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熊に襲われて死亡する人