史上最強の毒・毒性比較
生物毒から化学兵器(毒ガス)まで
史上最強の毒~天然毒と人工毒を問わず、この世で一番強い毒は何か? 多種多様な毒を半数致死量LD50で比較しました。
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史上最強の毒~天然毒と人工毒を問わず、この世で一番強い毒は何か? 多種多様な毒を半数致死量LD50で比較しました。
史上最強の毒素を作ることで知られるポツリヌス菌。
(画像提供:大阪市)
毒には天然毒と人工毒があります。
天然毒とは、植物毒や動物毒、鉱物毒、微生物毒といった自然界にもともとある毒です。トリカブトや毒キノコなどの植物毒、毒蛇やサソリなどの動物毒、ヒ素や有機水銀といった鉱物毒、ポツリヌス菌や破傷風菌などに由来する微生物毒です。
強力な毒性を利用して、細菌兵器として利用研究されているものもあります。
一方、人工毒とは、農薬や工業用薬剤、化学合成の副産物、化学兵器(毒ガス)などとして人間が人工的に合成して作った毒物です。青酸カリ や四塩化炭素、ダイオキシン、サリン、VXガスなど多くの種類があります。ここでは、これら各種の毒の毒性を半数致死量LD50をもとに比較しました。
自然界にもともと存在する天然毒に人工毒を合わせて、この世の中に存在する主な有毒物質を半数致死量LD50をもとに比較しました。ここでは参考までに、フグ毒(テトロドトキシン)を基準とした毒性の倍率も示しています。
<いろいろな毒の毒性比較 >
LD50の単位は mg/kg。( )内はフグ毒との毒性比較。
■ボツリヌス菌毒素D
LD50=0.00000032 (33,000倍)
由来:ボツリヌス菌
■ボツリヌス菌毒素A
LD50=0.0000011 (9,100倍)
由来:ボツリヌス菌
■破傷風菌毒素・ベロ毒素
LD50=0.000002 (5,000倍)
由来:破傷風菌、赤痢菌
■ダイオキシン
LD50=0.0006 (17倍)
由来:農薬合成の副産物(人工)
■サキシトキシン
LD50=0.0034 (2.9倍)
由来:プランクトン、シガテラ毒
■テトロドトキシン
LD50=0.01 (1倍=基準)
由来:フグ毒
■ω-コノトキシン
LD50=0.013 (1/1.3=0.77倍)
由来:イモガイ
■サリン
LD50=0.2 (1/20=0.05倍)
由来:毒ガス(人工)
■α-アマニチン
LD50=0.3 (1/30 倍)
由来:テングタケの毒(毒キノコ)
■ストリキニーネ
LD50=0.5 (1/50 倍)
由来:植物の毒
■青酸ガス (HCN)
LD50=3 (1/300 倍)
■塩化第二水銀
LD50=5 (1/500 倍)
■青酸カリ (KCN)
LD50=10 (1/1,000 倍)
■四塩化炭素 (C-Cl4)
LD50=4,620 (1/480,000 倍)
毒の種類 | 由来 | LD50 (mg/kg) |
フグ毒との 毒性比較(倍) |
ボツリヌス菌毒素D | ボツリヌス菌 | 0.00000032 | 33,000 |
ボツリヌス菌毒素A | ボツリヌス菌 | 0.0000011 | 9,100 |
破傷風菌毒素、ベロ毒素 | 破傷風菌、赤痢菌 | 0.000002 | 5,000 |
ダイオキシン | 農薬合成の副産物(人工) | 0.0006 | 17 |
サキシトキシン | プランクトン,シガテラ毒 | 0.0034 | 2.9 |
テトロドトキシン | フグ毒 | 0.01 | 1(基準) |
ω-コノトキシン | イモガイ | 0.013 | 1/1.3=0.77 |
サリン | 毒ガス(人工) | 0.2 | 1/20=0.05 |
α-アマニチン | テングタケの毒(毒キノコ) | 0.3 | 1/30 |
ストリキニーネ | 植物の毒 | 0.5 | 1/50 |
青酸ガス (HCN) | 3 | 1/300 | |
塩化第二水銀 | 5 | 1/500 | |
青酸カリ (KCN) | 10 | 1/1,000 | |
四塩化炭素 (C-Cl4) | 4,620 | 1/480,000 |
※引用:生化学の基礎(生物毒)
※ LD50の数値は毒の投与方法(皮下、静注、腹腔など)で異なるが、上記引用資料には試験方法の具体的内容は記載されていない。したがって、LD50の数値はいずれも目安である。
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