沖縄 蛇の種類
沖縄や奄美など島嶼に棲むヘビ28種

沖縄や奄美など島々に生息する蛇についてまとめました。毒蛇ではハブ(ホンハブ)が有名ですが、ほかにもヒャンやハイなどコブラ科の毒蛇も生息しています。日本にもコブラがいるの? 詳しく観てみましょう。

攻撃姿勢をとるハブ(ホンハブ)
沖縄の蛇といえばやはりハブ(ホンハブ)
(画像提供:Groveling things)

日本の陸地に生息する蛇の種類は36種。その中で、俗に本土とよばれる「北海道・本州・四国・九州」の四島に生息する蛇は、アオダイショウ・シマヘビ・マムシなどわずかに8種類のみです。
残りの28種の蛇は、奄美・沖縄などの亜熱帯気候の島々に生息しています。

日本の蛇の大部分が、亜熱帯の島嶼(とうしょ=島)に棲んでいるのです。

ここでは、亜熱帯の島々にすむ28種の蛇を紹介します。皆さんが奄美や沖縄に旅行されて、アウトドア趣味を存分に楽しもうとするのなら、本土とは違った亜熱帯特有の蛇の種類と特性について知識を得ておく必要があります。

※日本本土に生息する8種の蛇の詳細については、下記を参照してください。
 ⇒日本の蛇の種類

亜熱帯の島々に棲む蛇(本土以外)

沖縄など島嶼に棲む蛇=28種

沖縄などの島嶼(とうしょ=島)に棲む蛇の一覧です。
対馬は亜熱帯性気候ではありませんが、本土から切り離れた島嶼であることから一覧に掲載しておきます。ツシママムシは、本土に棲むニホンマムシとは別種(亜種ではない)とされています。

これら28種のヘビのうち、毒ヘビは10種無毒のヘビは18種です。

このほかに、沖縄本島では、台湾からの移入種が2種、生息しているのが確認されています。タイワンハブ(毒ヘビ)とタイワンシジオ(無毒)です。
いずれも輸入資材に紛れ込んだり、研究目的や密輸などで持ち込まれたものが逃げ出して、繁殖しているものと推定されます。

以下に、毒ヘビと無毒のヘビに区分して、個別に表示します。

①毒蛇(10種+移入種1種)

沖縄など島嶼に棲む28種のヘビのうち、毒をもった危険な「毒ヘビ」のリストです。

  • ツシママムシ
     クサリヘビ科:対馬
  • トカラハブ
     クサリヘビ科:トカラ列島
  • ガラスヒバァ
     ユウダ科:奄美大島・沖縄本島ほか
  • ヒャン
     コブラ科:奄美大島
  • ヒメハブ
     クサリヘビ科:奄美大島・沖縄本島ほか
  • ハブ(ホンハブ)
     クサリヘビ科:奄美大島・沖縄本島ほか
  • ハイ
     コブラ科:徳之島・沖縄本島ほか
  • クメジマハイ
     コブラ科:久米島
  • イワサキワモンベニヘビ
     コブラ科:八重山諸島
  • サキシマハブ
     クサリヘビ科:八重山諸島・沖縄本島
  • タイワンハブ(移入種)
     クサリヘビ科:沖縄本島
蛇の名称 分類:科 生息地域
ツシママムシ クサリヘビ科 対馬
トカラハブ クサリヘビ科 トカラ列島
ガラスヒバァ ユウダ科 奄美大島・徳之島・沖縄本島・沖縄本島周辺
ヒャン コブラ科 奄美大島
ヒメハブ クサリヘビ科 奄美大島・徳之島・沖縄本島・沖縄本島周辺
ハブ(ホンハブ) クサリヘビ科 奄美大島・徳之島・沖縄本島・沖縄本島周辺
ハイ コブラ科 徳之島・沖縄本島・沖縄本島周辺
クメジマハイ コブラ科 久米島
イワサキワモンベニヘビ コブラ科 八重山諸島
サキシマハブ クサリヘビ科 八重山諸島・沖縄本島(移入種)
タイワンハブ
(移入種)
クサリヘビ科 沖縄本島

以上、10種+移入種1種(タイワンハブ)

①毒蛇の生態画像/沖縄の蛇(抜粋)

ハブ(ホンハブ)

ハブ(ホンハブ)/沖縄の蛇 生態画像
(画像提供:Groveling things)

ハブは、沖縄諸島と奄美群島に生息する毒蛇です。マムシと同じクサリヘビ科に属する毒蛇で、強力な出血毒をもっています。
ハブは時には餌のネズミを追って屋敷や家屋内にも侵入します。ハブ咬傷被害の約80%がこれらの民家敷地内と畑で発生しています。
ハブに咬まれると血管組織が破壊され、直後から激しい痛みと皮下出血による腫れが進行していきます。


ハイ

ハイ/沖縄の蛇 生態画像
(画像提供:Japanese Snakes)

ハイは、コブラ科ワモンベニヘビ属に分類される毒蛇で、奄美大島に生息するヒャンとは同属の亜種にあたります。
ハイはコブラ科のヘビだけあって毒性が強く、ハブの4~5倍の強い毒があります。
ただ、この蛇は全長30-56cmと小型種であり、口も小型で毒量が少なく、性質もおとなしいため、それほど危険な蛇とはされていません。


②無毒のヘビ(18種+移入種1種)

沖縄など島嶼に棲む28種のヘビのうち、毒のないヘビのリストです。

  • アカマダラ
     ナミヘビ科:対馬・尖閣諸島
  • ブラーミニメクラヘビ
     メクラヘビ科:小笠原諸島・沖縄本島ほか
  • リュウキュウアオヘビ
     ナミヘビ科:トカラ列島・沖縄本島ほか
  • アマミタカチホ
     タカチホヘビ科:奄美大島・沖縄本島ほか
  • アカマタ
     ナミヘビ科:奄美大島・沖縄本島ほか
  • キクザトサワヘビ
     ユウダ科:久米島
  • チュウゴクシュウダ
     ナミヘビ科:尖閣諸島
  • サキシマスジオ
     ナミヘビ科:宮古諸島・八重山諸島
  • サキシマアオヘビ
     ナミヘビ科:宮古諸島・八重山諸島
  • サキシママダラ
     ナミヘビ科:宮古諸島・八重山諸島
  • サキシマバイカダ
     ナミヘビ科:宮古諸島・八重山諸島
  • ミヤコヒメヘビ
     ナミヘビ科:宮古諸島
  • ミヤコヒバァ
     ユウダ科:宮古諸島
  • イワサキセダカヘビ
     セダカヘビ科:八重山諸島
  • ヤエヤマタカチホヘビ
     タカチホヘビ科:八重山諸島
  • ヤエヤマヒバァ
     ユウダ科:八重山諸島
  • ヨナグニシュウダ
     ナミヘビ科:与那国島
  • ミヤラヒメヘビ
     ナミヘビ科:与那国島
  • タイワンスジオ(移入種)
     ナミヘビ科:沖縄本島
蛇の名称 分類:科 生息地域
アカマダラ ナミヘビ科 対馬・尖閣諸島
ブラーミニメクラヘビ
(ミミズヘビ)
メクラヘビ科 八丈島・小笠原諸島・奄美大島・徳之島・
沖縄本島・沖縄本島周辺・八重山諸島・
与那国島・大東諸島
リュウキュウアオヘビ ナミヘビ科 トカラ列島・奄美大島・徳之島・沖縄本島・
沖縄本島周辺・宮古諸島
アマミタカチホ タカチホヘビ科 奄美大島・徳之島・沖縄本島・沖縄本島周辺
アカマタ ナミヘビ科 奄美大島・徳之島・沖縄本島・沖縄本島周辺
キクザトサワヘビ ユウダ科 久米島
チュウゴクシュウダ ナミヘビ科 尖閣諸島
サキシマスジオ ナミヘビ科 宮古諸島・八重山諸島
サキシマアオヘビ ナミヘビ科 宮古諸島・八重山諸島
サキシママダラ ナミヘビ科 宮古諸島・八重山諸島・与那国島
サキシマバイカダ ナミヘビ科 宮古諸島・八重山諸島
ミヤコヒメヘビ ナミヘビ科 宮古諸島
ミヤコヒバァ ユウダ科 宮古諸島
イワサキセダカヘビ セダカヘビ科 八重山諸島
ヤエヤマタカチホヘビ タカチホヘビ科 八重山諸島
ヤエヤマヒバァ ユウダ科 八重山諸島
ヨナグニシュウダ ナミヘビ科 与那国島
ミヤラヒメヘビ ナミヘビ科 与那国島
タイワンスジオ
(移入種)
ナミヘビ科 沖縄本島

以上、18種+移入種1種(タイワンスジオ)

②無毒のヘビの生態画像/沖縄の蛇(抜粋)

リュウキュウアオヘビ

リュウキュウアオヘビ/沖縄の蛇 生態画像
(画像提供:GANREF)

沖縄諸島や奄美群島に生息しています。全長は60~95cm。体色は黄緑色や緑褐色で、背中に4本の黒い不鮮明な縦縞が入ります。
平地から山地にかけての森林や水辺などに生息しています。昼行性ですが、夜間に活動することもあります。危険を感じると頸部をS字状に持ち上げて威嚇します。


アカマタ

アカマタ/沖縄の蛇 生態画像
(画像:沖縄県衛生環境研究所)

沖縄諸島と奄美群島に分布しています。全長80-170cmの大型ヘビで、最大では2mに達する個体もいます。
背面の体色は黄褐色で、黒褐色と赤褐色の横縞が入っています。毒々しい色彩で、性質も荒いことから毒蛇と間違われることがありますが、毒は持っていません。
食性は動物食で、哺乳類、鳥類、爬虫類、カエル、魚類などを食べます。


タイワンスジオ(移入種)

タイワンスジオ/沖縄の蛇 生態画像
(画像:ハブの館)

全長1.5~2mの大型ヘビで、最大の個体では2.5mを越えます。
台湾・中国南部・東南アジアに分布。日本には本来いない蛇ですが、近年、沖縄本島の中部地域で年に数頭捕獲されています。すでに沖縄本島に定着・帰化したと考えられます。


↓↓ タイトルをタップ/クリック(内容表示)

アウトドア趣味に関する総合情報サイト>アウトドア雑学>沖縄 蛇の種類|沖縄や奄美など島嶼に棲むヘビ28種