ハブクラゲ
(日本沿岸の猛毒クラゲ情報)
ハブクラゲは、猛毒ヘビの「ハブ」にたとえて恐れられているクラゲです。沖縄方面でアウトドア趣味を楽しむ方は要注意!
浅海を泳ぐ透明なハブクラゲ。殺人クラゲとして恐れられている。
(画像提供:エコネット・美(ちゅら))
ハブクラゲは沖縄地方で猛毒ヘビの「ハブ」にたとえて恐れられているクラゲです。沖縄や奄美の暖かい海域に生息しています。
ハブクラゲは、「殺人の魔の手」と呼ばれる触手を持つ世界最強の毒クラゲ、ゴウシュウアンドンクラゲ(別名:オーストラリアウンバチクラゲ)と同じハブクラゲ属に属するクラゲで、刺胞に強い毒があります。
ハブクラゲの恐ろしいところは、透明な体をしていて見えにくいことです。水中眼鏡をかけていても、よほど注意深くみていないと、近づいてくるハブクラゲを発見することさえもできません。
ましてや、無防備な海水浴中では、お手上げです。
沖縄本島や石垣島などのビーチでは「ハブクラゲ侵入防止ネット」を張って、海水浴客をハブクラゲの刺傷被害から守っています。
殺人クラゲ~ハブクラゲ
ハブクラゲの生態
ハブクラゲはネッタイアンドンクラゲ科のハブクラゲ属に属するクラゲです。傘の直径は10~12cm。4本の足にそれぞれ8本の触手が付いています。触手の長さは1.5mほどになります。
ハブクラゲは青みのある透明な体をしているため、水中眼鏡でもかけない限り、海面からの確認はかなり困難です。ハブクラゲに刺されると、瞬時に激痛がはしり、触手が絡みついた部位にはミミズ腫れや水疱、細胞壊死が生じます。重傷の場合はショック症状を起こし、呼吸困難、心肺停止に陥り死に至ります。
クラゲは一般に泳ぎが不得手ですが、ハブクラゲに関しては遊泳力が非常に高く、人が歩く程度の速さで移動します。水中ではあっという間に近づいてきますので、十分な注意が必要です。
■ハブクラゲの触手
(画像提供:琉球ずんだ)
ハブクラゲの触手は、4本の足に8本ずつ、合計32本あります。触手には多数の刺胞をがあり、物に触れると刺胞から毒針が飛び出す仕組みになっています。通常はこの毒針を使って小魚を捕食しています。
ハブクラゲは、沖縄地方では6~9月に多く目撃され、この時期に被害も一番多くなります。
ハブクラゲ侵入防止ネット
沖縄本島や石垣島などのビーチでは、海水浴客をハブクラゲの刺傷被害から守るために、「ハブクラゲ侵入防止ネット」が張られているところあります。ネットの内側では安心して海水浴を楽しむことができます。
ただ、ネットが張られていない海岸も多く、このような場所では自己責任で十分注意する必要があります。
■ハブクラゲ侵入防止ネットが張られた海水浴場
(画像提供:タエヌのスピリチュアル日記)
ハブクラゲの危険を避けるためには、このようなネットも必要なのでしょう。改めてハブクラゲの怖さが実感できます。
ただ、本来のアウトドア趣味は、ネットの外側の広々とした大自然の中にこそ面白さがあります。サンゴ礁で泳いだりシュノーケリングを楽しむ際には、自分で身を守るしか手立てはありません。
ハブクラゲに刺されたときの応急処置
沖縄の海岸を散策していると、いたるところに「ハブクラゲに注意」の立て看板が立てられています。看板の文言は設置事業者や自治体により差はありますが、書かれている内容(主旨)はどれも同じです。ハブクラゲに刺されたときの応急処置の方法が書かれています。
■ハブクラゲに刺されたときの応急措置(看板より)
- 1)刺された箇所は決して砂や真水(水道水)でこすり落とさないでください。
- 2)クラゲの触手を取り除くには、市販の食用酢を30秒かけ続けるか、海水で洗い流してください。
- 3)酢を充分にかけ続けて病院に搬送してください。
- 4)痛みがある場合は、氷や冷水で冷やしてください。
- 5)心肺停止をしている場合は心臓マッサージや人工呼吸を行ってください。
■写真は石垣市の立て看板です。
(画像提供:沖縄病)
「注意!」
「ATTENTION!」
「錆注意!」
国際リゾートにふさわしく、日本語と英語と中国語で書かれています。
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