ヤマカガシの多様な体色変異

ヤマカガシはユウダ科の毒蛇で、血液凝固作用を伴った強烈な出血毒をもっています。ヤマカガシは体色変異が激しく、いろいろな体色の個体がいます。ヤマカガシにご注意を!

生息環境で異なるヤマカガシの体色


ヤマカガシ。生息地域や固体によって多様な体色変異が認められる。
(画像提供:まっつんさんのポートフォリオ)

ヤマカガシは、生息地域や個体差によって体色の変異が激しく、黒一色の真っ黒な個体から、褐色の個体、赤い斑紋がない「赤ぬけ」した個体などいろいろです。

ここでは、標準体色のヤマカガシをまず第一に確認したあとで、いろいろな体色のヤマカガシを観てもらいます。野山で突然出くわしてもあわてないように、その特徴をよく掴んでおいてください。

ヤマカガシはユウダ科の毒蛇です。長い間無毒と考えられていましたが、1972年に中学生が噛まれて死亡する事故が起きてから、毒蛇として認識されるようになりました。

ヤマカガシには、クサリヘビ科のハブやマムシのように前歯に鋭い毒牙はありません。口腔の後方に毒牙を有する後牙類(後牙蛇)の毒へびです。
元来、おとなしいヘビですが、毒性はハブの10倍、マムシの3倍と強く、万一噛まれると大変危険です。

ヤマカガシの体色(まずは標準色から)

ヤマカガシ(標準)


(画像提供:大分ヘビ図鑑)

ヤマカガシの体色は、褐色の地に赤色と黒色の斑紋が交互に並んでいます。これが基本です。

スマートな細長い体形に加えて、背中の「赤い色」が確認できますので、標準色のヤマカガシであれば、これを識別することは比較的容易です。

ヤマカガシの幼体(幼蛇)


(画像:木漏れ日ゆれるバルコニー)

ヤマカガシの幼体(幼蛇)は、成体よりも色彩が一般に鮮やかできれいです。特徴として、頸部の背面に黄色の帯が認められます。
ただ、黄色の帯も全体の色彩も、成体になるにつれてだんだん薄く、くすんでいきます。最初から黄色い帯がない固体もあります。

ヤマカガシの体色~いろいろな体色変異

ヤマカガシは、生息地域や個体差によって体色の変異が激しく、場合によっては標準と大きくかけ離れた体色の個体もいます。無毒の蛇と間違えないように、判定には十分注意してください。
疑わしきは近寄らないようにお願いします。

  • 赤の斑紋がないヤマカガシ

    「赤ぬけ」といって、体表から赤色の色素がなくなった個体です。中国地方には、体色が青みがかった濃紫色の固体もしばしば見られます。
  • 白黒のヤマカガシ

    「赤ぬけ」がさらに進み、地の体色が白色になった固体です。このタイプの変異個体は、無毒の「シロマダラ」と間違われることがあります。
  • 黒一色のヤマカガシ

    「黒化型」といって体色が黒一色になった固体。「黒化型」は、シマヘビやマムシにも見られます。
  • 褐色のヤマカガシ

    近畿地方には、褐色の地色をしたヤマカガシが多く見られます。斑紋もほとんど識別できません。

ヤマカガシの体色変異は、本当にいろいろです。

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