ガラガラヘビのすべて
ガラガラヘビの毒と毒性、咬傷事例
ガラガラヘビは、猛毒の出血毒をもったクサリヘビ科の毒蛇です。ガラガラヘビの毒性と咬傷被害事例を観てみましょう!
(画像提供:California Herps)
北アメリカ大陸と南アメリカ大陸の一部には、強烈な毒をもったガラガラヘビが生息しています。危険が迫るとしっぽの先端を振動させて、「ジャー」という警告音を発して威嚇します。
ガラガラヘビは英語名でrattlesnakeと言いますが、rattleとは赤ちゃんをあやす「ガラガラ」のこと。しっぽの動きがおもちゃのガラガラに似ていることから名づけられました。
この警告音に気が付いてゆっくりその場を離れると事なきを得ますが、不幸にも気づかないで近づくと鋭い毒牙の洗礼を受けることになります。ガラガラヘビの毒は強力な出血毒で、なんとか一命を取りとめても、筋肉壊死やひどい後遺症に悩まされることもあります。
ガラガラヘビ
ガラガラヘビとは
(画像提供:wikipedia)
ガラガラヘビは、日本のマムシやハブなどと同じクサリヘビ科に属する毒蛇で、一般にはクサリヘビ科のガラガラヘビ属に分類されるヘビを総称して「ガラガラヘビ」と呼称します。
ダイヤガラガラヘビ/シンリンガラガラヘビ/メキシコガラガラヘビ/ヨコバイガラガラヘビ(別名:サイドワインダー)/トラフガラガラヘビ/モハベグリーンガラガラヘビ/ミナミガラガラヘビなど、多くの種が生息しています。
ガラガラヘビは、北米や中南米の乾燥した草原や森林、砂漠地帯など様々な環境に順応して生息しています。最大種はアメリカ合衆国東南部に生息するヒガシダイヤガラガラヘビで、全長は2.4メートルにも達します。
夜行性で、昼間は大きな石の下や木の根元、地中の穴などに入って休んでいます。食性は動物食で、小型哺乳類や爬虫類、鳥類などを捕食します。
ガラガラヘビの毒
ガラガラヘビの毒成分は、出血毒を主体としたものです。出血毒というのは唾液が高度に進化したもので、細胞などのタンパク質を溶解する性質があります。そのためガラガラヘビに咬まれると患部の細胞組織や血管が破壊され、激しい痛みと内出血および内出血に伴う腫れが発生します。
注入された毒成分は血流にのって体中に拡散して症状を拡大していきます。血圧降下、体内出血、腎機能障害、多臓器不全を引き起こし、重篤な場合は死に至ります。
出血毒は神経毒に比べて致死率は低いのですが、血管や筋肉の細胞を破壊するために激しく痛み、また筋肉壊死を引き起こすため、たとえ一命を取り留めたとしても、手足切断や高度の後遺症が残るなど、悲惨な結果を迎えることが多くあります。
ガラガラヘビの咬傷被害事例
ガラガラヘビによる咬傷被害の事例を紹介します。
ガラガラヘビは猛毒を持つ攻撃的なヘビとして恐れられていますが、実際は必ずしもそうではありません。ガラガラヘビも人間との接触を極度に嫌っていて、攻撃するのは襲われたときだけです。人間が咬まれるのは、ヘビにいたずらをしたり殺そうとした場合に多いようです。ただし、原因は何であれ、ガラガラヘビの毒牙に一旦咬まれると、結果は大変に悲惨です。
■少年がガラガラヘビに咬まれました
ガラガラヘビに咬まれた少年の右手。患部は大きく腫れあがり、激しい痛みに襲われます。
(画像提供:ポッカキット)
時間経過とともに筋肉壊死が進行します。
患部はどす黒く変色して、手指の先端はすでに溶け始めていて骨が露出しています。
こうなると、手首どころか腕までの切断は避けられません。
近年では、ガラガラヘビの生息域では血清が常備されているため、人間が死ぬケースは稀にしかありません。ただし、たとえ命が助かっても、手足切断や後遺障害など悲惨な結果が待っています。ガラガラヘビに咬まれないことが第一です。
ガラガラヘビの尻尾
(画像:California Herps)
ガラガラヘビは危険を感じると、尾部を激しく振り鳴らして敵に警告を与えます。尾の先端にある発音器官は、中が空洞になった硬い節が緩くつながったもので、脱皮するごとに新しい節が増えていきます。しっぽを振るとこの節がぶつかり合って「ジャー」という音が出るのです。
この節は脱皮ごとに増え続けるかというとそうでもなく、ある程度増えると途中でとれてしまいます。
ガラガラヘビの警告音は、危険を感じたときに発するものです。通常の餌を獲るときには当然ですが鳴らしたりはしません。静かに獲物に近づいて、一撃で仕留めます。電光石火の早業です。
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ガラガラヘビの毒性
世界中の毒蛇の「毒性=毒の強さ」を半数致死量(LD50)で比較した「世界最強の毒蛇ランキング トップ50」。このランキングによると、第17位にトラフガラガラヘビが、25位にモハベグリーンガラガラヘビがランクされています。
■トラフガラガラヘビ
トラような横シマ(虎斑=トラフ)が入ったガラガラヘビです。英語名でもTiger rattlesnakeといいます。米国アリゾナ州の乾燥地帯に生息していて、半数致死量は0.21mg/kg。これはニホンマムシの95倍の強い毒性になります。
■モハベグリーンガラガラヘビ
米国南西部~中央メキシコにかけての砂漠や乾燥地帯に生息しています。英語名はMohave rattlesnakeまたはMojave green。半数致死量は0.34mg/kgで、ニホンマムシの59倍の毒性です。
上記2種のガラガラヘビのほかには、クサリヘビ科の毒蛇は、第13位:カーペットバイパー、39位:インドラッセルクサリヘビ、45位:シャムラッセルクサリヘビの3種がランクされています。 それ以外はすべてコブラ科の毒蛇(神経毒)です。
ちなみに第1位はインランドタイパン(コブラ科)。マムシの800倍もの強い毒性があります。