沖縄のウミヘビ
沖縄海域で見られるウミヘビ解説

沖縄海域で見られるウミヘビ~ウミヘビは熱帯~亜熱帯の温暖な海域を好み、トカラ列島以南の沖縄の海には多くのウミヘビが生息しています。ダイビングや海遊びではウミヘビにご注意を!

沖縄のウミヘビ


沖縄のサンゴ礁を泳ぐエラブウミヘビ
(画像提供:おきなわ図鑑)

ウミヘビは熱帯~亜熱帯の温暖な海域を好み、トカラ列島以南の南西諸島(奄美群島、沖縄諸島、宮古諸島、八重山諸島)の沿岸には多くのウミヘビが生息しています。

これら沖縄の海に生息するウミヘビは、全部で9種ほどです。

そのうち、エラブウミヘビ、ヒロオウミヘビ、クロガシラウミヘビ、イイジマウミヘビの4種は普通によく見られます。
また、アオマダラウミヘビ、セグロウミヘビ、マダラウミヘビの3種は、頻繁ではありませんが時折目撃されることがあります。

ウミヘビは浅い海を生活圏にしているものが多く、種によっては波打ち際の岩穴で休息したり、陸上に上がってくるものもいます。
ダイバーだけでなく普通に海遊びしていてもウミヘビに遭遇する可能性がありますので注意が必要です。

沖縄海域で見られるウミヘビ

ウミヘビはコブラ科の毒蛇が海に進出して、海中生活に適応したものです。沖縄近海には次の9種が生息しています。
このうち、よく目撃されるのはエラブウミヘビ、ヒロオウミヘビ、クロガシラウミヘビ、イイジマウミヘビの4種です。

沖縄近海に生息するウミヘビ

■エラブウミヘビ亜科
  ・エラブウミヘビ(◎)
  ・ヒロオウミヘビ(◎)
  ・アオマダラウミヘビ(○)

■ウミヘビ亜科
  ・クロガシラウミヘビ(◎)
  ・イイジマウミヘビ(◎)
  ・セグロウミヘビ(○)
  ・マダラウミヘビ(○)
  ・クロボシウミヘビ(△)
  ・トゲウミヘビ(△)

凡例: ◎普通にみられる/○少ない(ときどき見られる)/△まれ(稀に見られる)

※ウミヘビは、従来よりコブラ科のエラブウミヘビ亜科とウミヘビ亜科に分類されていましたが、現在はコブラ科から分離独立させて、ウミヘビ科(エラブウミヘビ属、ウミヘビ属ほか)に分類する学説もあります。

沖縄海域で見られるウミヘビ(生態画像)

陸に上がったエラブウミヘビ


(画像提供:奄美生き物図鑑)

エラブウミヘビ(永良部海蛇)は、沖縄や奄美の海でよく見られるウミヘビです。近年は九州や四国、本州南岸にも棲息しています。頭は小さく、青地に黒い横縞があります。
エラブウミヘビは夜行性で、昼間は陸に上がり、海岸の岩陰等で休んでいます。波打ち際や砂浜を移動することもあるので注意してください。
沖縄や奄美でイラブーと呼ぶウミヘビは、本種エラブウミヘビです。

ヒロオウミヘビ


(画像提供:おきなわ図鑑 )

ヒロオウミヘビは、エラブウミヘビと同じエラブウミヘビ亜科(エラブウミヘビ属)のウミヘビです。夜行性で、昼間は海岸にある岩の割れ目などで休んでいます。
全長70~120cm。胴体は細く、腹板も幅広で、より陸性の蛇に似ています。地色は青灰色~青で、黒い横帯が並ぶ。黒帯は青帯と同じ幅かそれよりも幅が広い。この点でエラブウミヘビやアオマダラウミヘビとある程度見分けがつきます。

クロガシラウミヘビ


(画像提供:八重山通信)

水深0.5m程度の浅い藻場で撮影したクロガシラウミヘビ。このウミヘビは藻場や浅いところに多く棲息しています。完全水棲種で、陸にあがることはありません。
日本では南西諸島や沖縄の沿岸に多く見られますが、対馬海流に乗って北海道の海で見つかった例もあります。昼行性。アナゴ等の細長い魚類を捕食します。

イイジマウミヘビ


(画像提供:Japanese Snakes)

コブラ科カメガシラウミヘビ属に分類されるヘビ。沖縄以南、先島諸島、台湾、フィリピンに分布しています。 全長50-90cmとやや小型のウミヘビで、体型はやや太い。体色は淡黄色で黒い横縞が入る。
本種は魚卵を主食としているため、生きた動物を捕食することはありません。そのため、毒牙や毒腺は退化し、唾液も無毒化されているという。 海洋の沿岸部に生息し、完全水棲で陸にあがることはありません。

セグロウミヘビ


(画像提供:wikipedia )

セグロウミヘビは、コブラ科セグロウミヘビ属のウミヘビです。名前のとおり背が黒く、腹部は黄色や淡褐色です。完全水棲種で、陸にあがることはありませんが、たまに浜辺に打ち上げられることがあります。
セグロウミヘビは外洋に生息するウミヘビです。暖流に乗って日本近海にも現れ、ときには北海道あたりまで北上することもあるようです。ウミヘビの中では比較的性質が荒い種であり、注意が必要です。

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