アンボイナガイ
猛毒を持つ海の殺し屋(イモガイの仲間)

アンボイナガイは強力な毒をもった熱帯性の貝。九州、四国、本州の暖かい海にも棲息しています。アンボイナガイにご注意を! この貝の怖いのはみんなが遊ぶ浅場にいること。毒針に刺されたら命の保証はありません。


アンボイナガイ。イモガイの一種で、人をも殺す猛毒を持つ。
(画像提供:奄美大島☆撮影日記)

アンボイナガイは、イモガイの一種で、人をも殺す猛毒をもつことで知られています。

食用にしようと貝獲りをしたダイバーが、アンボイナガイに刺されて死亡する事故も起きました。これまでに日本でも、少なくとも30人以上のダイバーがアンボイナ刺傷によって死亡しています。

毒の強さを表す半数致死量(LD50)で比較すると、アンボイナガイの毒はインドコブラの約37倍、世界最強の毒蛇といわれているインランドタイパンの約2倍の毒性です。

アンボイナガイはたかが貝ですが、コブラなど猛毒蛇よりも何倍も強い毒を持っている恐るべき貝なのです。海遊びでは十分に注意しなければなりません。

アンボイナガイ

毒の歯舌(=モリ)が武器

アンボイナガイは、イモガイ科イモガイ属に属する巻貝です。イモガイの仲間は貝殻が美しく、貝殻コレクションで人気がありますが、生体は猛毒の持ち主として知られています。

イモガイの仲間は捕食性で、毒腺が付いた銛(もり)状の歯舌で他の動物を突き刺し、麻痺させて餌としています。この毒は強烈で、世界中のどの毒ヘビよりも強く、イモガイ1個体に含まれる毒はおよそ人間30人分の致死量に相当するといわれています。

イモガイ属の貝


(画像提供:wikipedia)

イモガイ属の貝殻は美しく、貝殻コレクションとしても人気があります。
ただ、海でこのような形の生きた貝に出会った場合は注意をしなければなりません。

「イモガイ」の名前は、形が円錐形で、里芋の形に似ていることから名づけられました。

アンボイナガイの貝殻


(画像提供:wikipedia)

こちらはアンボイナガイの貝殻です。殻長は8~13cm程度。貝殻の色や模様は様々で、明るい灰色から帯褐色、中には赤みがかったまだら模様のものもあります。

アンボイナガイの刺傷被害

アンボイナガイは世界中の暖流域に棲息しています。日本では沖縄のサンゴ礁地帯に多く見られますが、近年の地球温暖化の影響で、九州・四国・本州でも黒潮や対馬海流などの暖流の影響が強い地域では当たり前のように棲息しています。
磯遊びや海水浴を楽しむ浅瀬にもいますので注意してください。

アンボイナガイの毒は神経毒です。刺された際の痛みは少ないですが、やがて血圧低下や全身麻痺の症状があらわれ、重篤な場合は呼吸不全により死に至ります。

アンボイナガイの毒には血清がありません。そのため病院に運ばれても抗毒治療は行なえず、ひたすら生命維持に尽力して、被害者の体内で毒が代謝され抜けきるまで待つしか仕方がありません。何とも心もとない治療法ですが、それが唯一の救命策です。

アンボイナガイの生態画像

アンボイナガイはサンゴ礁の上、砂地、岩礁地帯などいたるところに生息しています。人をも殺す猛毒を持つことから、沖縄地方では毒蛇のハブにたとえて、アンボイナガイを「ハブガイ」と呼んでいます。

サンゴ礁の砂地に棲むアンボイナガイ


(画像提供:沖縄県警察HP)

アンボイナガイは深い海ではなく、私達が普通に遊ぶ海(浅海)にたくさんいます。
アウトドアレジャーで大きな貝を見つけると嬉しくて、ついつい獲りたくなりますが、この貝だけは獲ってはいけません。
貝の形と色をよ~く覚えておいてください。円錐形の「里芋」に似た形には要注意です。(色と模様は個体差があります)

獲物めがけて伸びはじめた吻(ふん)~右端の黄色い管


(画像提供:Killer Cone Snails)

魚を見つけると長い吻を獲物めがけてそろそろと伸ばしていきます。吻の先端が獲物に届くと、すかさず銛(もり)のような形の歯舌(しぜつ)を発射し、獲物に突き刺して毒を注入します。
毒銛は鋭く、ときに軍手やウエットスーツさえ突き抜けるほどです。

毒銛の顕微鏡画像


(画像提供:沖縄生物倶楽部)

毒銛の先端部分の顕微鏡画像です。先端は鋭くとがり、突き刺したあと抜けないように上下二段のかえし(逆トゲ)が付いています。

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