ハブ(ホンハブ)生態画像
(日本の毒蛇の画像)

沖縄や奄美に生息するハブ(ホンハブ)の生態画像です。トカラハブやサキシマハブなど、ホンハブと同属の毒ヘビも併せて紹介します。


ハブ(ホンハブ)の毒牙(画像提供:ハブの館)

ハブは、沖縄諸島と奄美諸島に棲息する毒ヘビです。マムシと同じクサリヘビ科に属する毒蛇で、強力な出血毒をもっています。体長は最大で2mを越えるものがあり、山地や森林、平地、人家の周辺まで幅広い環境に棲息しています。

ハブは時には餌のネズミを追って屋敷や家屋内にも侵入します。ハブ咬傷被害の約80%がこれらの民家敷地内と畑で発生しています。身近なところでハブに咬まれる事故が発生していますので、日常生活はもちろんのこと、アウトドア趣味においても十分注意する必要があります。

ハブ咬症の特徴は、激しい痛みと腫れです。ハブに咬まれると血管組織が破壊され、直後から激しい痛みと皮下出血による腫れが進行していきます。その痛さは、真っ赤に焼けた「焼き火ばし」を押し付けられたようだといわれます。
症状が重篤になると、内臓出血や全身の循環器障害を引き起こし、ひどい場合には死に至ります。

ハブの生態画像

ハブ(ホンハブ)

奄美諸島(鹿児島県)と琉球列島(沖縄県)にはハブが棲息しています。ハブはクサリヘビ科ハブ属の毒ヘビで、ホンハブ(本波布)とも呼ばれます。

ハブは夜行性で、昼間は穴の中などにかくれ、暗くなってから活動をはじめます。湿度が高くて暖かい夜によく活動し、木にも登ります。

亜熱帯の沖縄地方ではハブは冬眠せず、一年を通して活動をします。とりわけ、繁殖期の3月~5月頃から11月頃にかけてが活発な活動期になります。

水辺の枯葉に潜むハブ


(画像提供:ハブの生態と対策)

黄色と黒の複雑な縞模様が保護色になって、よっぽど注意深く見ていないと踏みつけてしまいそうです。いや、踏みつける前に、ハブから先制攻撃を受けそうです。
それにしても、どこが頭やら・・・よ~く見ないと分かりません!

ラットを食べるハブ(飼育下)


(画像提供:ハブの館 [ハブ属図鑑])

自然界のハブは主にネズミを食べています。ドブネズミやクマネズミなどが主要な餌です。稀にウサギやネコなどが餌食になることもあるようです。
今までに確認されたハブの捕食動物には、カエルやイモリ、ヤモリ、トカゲなどの小動物のほか、ガラスヒバァ、アカマタ、ハブ(共食い)などのへび類、アオジ、ヒヨドリ、シジュウカラなどの鳥類と多様です。何でも食べるといった感じです。

ハブの孵化


(画像提供:ハブの館 [ハブ属図鑑])

ハブは3月から5月にかけて交尾をして、7月ごろに3~15個の卵を産みます。
卵は約1カ月半で孵化し、赤ちゃんハブが誕生します。赤ちゃんハブは全長40cmくらいですが、毒と毒牙もちゃんと持っています。
その後は脱皮をくりかえしてどんどん大きくなり、1年で約2倍の長さに、2年から3年で1mまで成長し一人前になります。

ハブの仲間~ハブと同属の毒ヘビ

琉球列島にはハブ(ホンハブ)と同じ、クサリヘビ科ハブ属の毒ヘビが他にも棲息しています。トカラハブ、サキシマハブ、タイワンハブです。いずれもハブの近縁種になります。

  • トカラハブ

    トカラ列島の宝島、小宝島に棲息する毒ヘビ。体長は60cm~最大150cmで、ハブよりやや小型です。画像のトカラハブは淡褐色型で通称「シロハブ」と呼ばれています。この型の他に通称「クロハブ」と呼ばれる黒褐色型のトカラハブもいます。
  • サキシマハブ

    八重山諸島(石垣島、西表島、小浜島、竹富島など)に分布している毒ヘビです。
    ところが近年、沖縄本島南部でサキシマハブが多数捕獲されており、何らかの原因で本島に持ち込まれ、定着・帰化したものと考えられています。
  • タイワンハブ

    台湾、中国南部、ベトナム、ラオス、インド北部などに棲息する毒ヘビ。日本には本来いないはずの毒蛇ですが、近年、沖縄本島北部名護市内で多頭捕獲されています。サキシマハブと似ていますが、タイワンハブの方が動きが俊敏で、毒牙も長い。

ハブの仲間~ハブとは別属の毒ヘビ

最後にもう1種、ヒメハブを紹介しておきます。ヒメハブは、ハブとは属が異なるクサリヘビ科ヤマハブ属の毒ヘビです。
沖縄諸島と奄美諸島に棲息し、普通見かける固体で全長30~50cm、大きいものでも全長80cmほどの小型のへびです。

ヒメハブ


太短い体形をしており、体形はハブよりマムシに似ています。ヒメハブの毒はハブやサキシマハブと比べると弱く、咬まれると一時的に患部が腫れて痛みますが、それだけですんでしまうことが多いようです。

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ハブの体色変異~生息地域で違うハブの体色と模様

ハブは生息地域によって、また個体差によって多様な体色変異があります。黄色に輝く金ハブ、白っぽい銀ハブ、沖縄本島南部産の黒っぽいハブ、奄美大島産のハブ、徳之島産のハブ、久米島産のハブ。本当はこわい日本の毒蛇の画像。多様なハブの生態画像です。

 詳しくは、⇒ハブの体色変異 | 金ハブ・銀ハブ(多様な体色変異)

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