ゴンズイ
(ひれに毒トゲを持つ刺毒魚)

ゴンズイは背ビレと胸ビレに毒棘をもった刺毒魚です。刺されると激しい痛みに襲われます。ゴンズイにご注意を!


ゴンズイ。ひれのトゲに猛毒をもつ。
(画像提供:宮崎の魚)

ゴンズイは海に棲むナマズの仲間です。

暖海性の魚で、関東以南の浅い海に生息。岩礁地帯や防波堤の窪地などで、数十匹から百匹ぐらいの群になって泳いでいます。

ゴンズイは、背ビレと胸ビレに強い毒棘を持ちます。海の中で泳いでいる状態で刺すことはありませんが、釣り上げたゴンズイを針からはずすときに、危険を知らずに手づかみして刺されることが多くあります。

刺されると激しく痛み、患部は赤く腫れ、重傷の場合は患部が壊死することもあります。

ゴンズイがよく釣れる場所は防波堤やテトラ帯です。
家族で釣りをすることが多い場所ですが、獲物が釣れると、特に子供は嬉しくてすぐに手でつかんでしまいます。

子供さんにも画像を見せて、ゴンズイが「毒をもった危険な魚」であることを教えてあげてください。

海釣りで危険な魚

ゴンズイの生態

ゴンズイは、体長10cm~20cmに達するナマズ目の海水魚です。茶褐色の体に頭部から尾部にかけて2本の黄色い線があるのが特徴で、幼魚ほど鮮やかな黄色をしています。暖海を好み、浅い岩礁地帯や防波堤の割れ目などで群れを作って生息しています。

ゴンズイは夜行性のため、成魚になると昼間は岩陰に集まり、夜になると磯や堤防近くを回遊するため、夜釣りで群れにあたるとゴンズイばかりが大量に釣れだすという事態になることもあります。ただ昼間でも、時折釣れることがありますので、注意してください。

ゴンズイの背鰭と胸鰭には、毒棘(どくきょく)と呼ばれる鋭い毒のトゲがあり、刺されると焼けつくような激痛に襲われます。釣り針から外すときに誤って手指を刺される事故が圧倒的に多いのですが、ゴンズイの毒は死んだ後も効力を保っているので、堤防に捨てられたゴンズイを触ったり、誤って踏んだりすることも大変危険です。

ゴンズイの生態画像

ゴンズイの毒棘(どくきょく=トゲ)

ゴンズイは背鰭と胸鰭に硬くて鋭い毒棘を持っています。釣り上げられると「ギギッ」「ググッ」などの鳴き声を発することから、地方によってギギ、ググといった名前で呼ばれることもあります。

岩礁に潜むゴンズイ

ゴンズイは昼間は、浅い海底の岩の下や防波堤の割れ目、テトラポットの隙間などに群れて潜んでいることが多い。
夜行性だが昼間でも採餌行動が見られるため、防波堤釣りなどでは時折釣れることがあります。

ゴンズイ玉

ゴンズイは幼魚の時には特に集合行動をとり、昼でも夜でも群れで生活しています。

浅い岩場で泳いでいると「ゴンズイ玉」と呼ばれる集団に時々出会いますが、手で触ったり、握ったりしない限り刺されることはありません。

ゴンズイに刺されたときの応急治療(新説? 入浴剤解毒法)

ゴンズイなど刺毒魚の毒はタンパク質のため熱に弱く、60℃以上の高温で毒の成分が分解されると言われています。そのため、火傷にならない程度の高温熱湯(43~50℃程度)に患部を浸す方法が、毒成分を不活性化させ痛みを和らげる応急処置として効果的だとされています。

ところが、最近の調査で、上述とはまったく違うユニークな対処法があることを知りました。
『カネボウ薬用入浴剤(旅の宿、草津)』を溶かして患部に付けると、わずか1~2分で解毒して毒の痛みが取れるというのです。

真偽のほどは分かりませんが、大変面白い方法なので紹介しておきます。
わたしはこの情報を、ブログサイト「B型人間のアウトドア日記」で読みました。オリジナルの出典記事は、単行本「鍛冶泰之の大ギス投げ釣り」(文芸社)なのだそうです。

薬用入浴剤「旅の宿、草津」によるゴンズイ毒の解毒

上記単行本には「ゴンズイの解毒対策(毒魚に注意)」という節があり、下記のような記述があります。以下抜粋です。

ーーー(ここから)ーーー

(前略)
 万が一刺された場合は、傷の程度にもよるが、応急処置として『カネボウ薬用入浴剤(旅の宿・草津)』を溶かして患部に付けるか、実際にこの入浴剤の入った風呂に入浴すると、これが摩訶不思議でなんと1~2分で毒の痛みがとれる(解毒する)。
 その後の処置としては切り傷の部分に軟膏を付けるとよい。または、絆創膏を巻く。この療法というか、処置の仕方は嘘のようによく効いた。これは私の偶然の産物。

 ちなみに「旅の宿・草津」の主成分は、無水硫酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、無水チオ硫酸ナトリウム。それに配合成分としてチンピ末、センキュウ末、トウキ末である。

 夜釣りには小さなビニール袋に少量を持って出かけるとよい。応急処置から先は病院の先生に任せよう。
(後略)

ーーー(ここまで)ーーー

もしこれが本当だとすれば、ゴンズイなど刺毒魚に刺された場合の画期的な応急治療法になり得ます。

記事には、「入浴剤のどの成分が実際に効くのか?」「入浴剤を患部に付ける場合、海水で溶かすのか真水なのか? お湯がいいのか冷水でもいいのか? 溶かす濃度は何%程度なのか?」などについて詳しいデータがありませんが、是非ともどなたか追試をやっていただきたいと思います。

本来ならわたしが追試をやって報告すべきなのでしょうが、そのためにわざわざゴンズイに刺されるのも嫌だし(汗)、怖いし(泣)・・・でもこれからは、海に行くときには念のために釣り道具の中に入浴剤も放り込んでおこうと思います。

ゴンズイ毒の解毒法について詳細を確認したい方は、オリジナル記事をご参照ください。
第3章「仕掛け・エサ・キャスティングの基本」のなかで、「ゴンズイの解毒対策(毒魚に注意)」が述べられています。
 ⇒「鍛冶泰之の大ギス投げ釣り」(文芸社)

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