沖縄の海と陸の危険生物
ウミヘビ・クラゲ・ヒョウモンダコ・蛇・蜘蛛

亜熱帯気候「沖縄」の海と陸の危険生物が勢ぞろい。猛毒ハブを筆頭に、ウミヘビや殺人クラゲなど危険生物がいっぱいです


ハブ(ホンハブ)/沖縄の危険生物
(画像提供:Groveling things)

沖縄は亜熱帯の気候地域です。亜熱帯~熱帯地域には、陸にも海にも、とんでもない猛毒をもった危険な生き物がたくさん生息しています。

たとえば陸の危険な生き物といえば、代表はハブ(ホンハブ)でしょう。大型の毒蛇で、猛毒の出血毒をもつことで恐れられています。
ハブのほかにも、沖縄にはガラスヒバァ、ハイ、ヒメハブなどの毒蛇が生息しています。ハイはコブラ科の毒蛇です。日本にも猛毒コブラの仲間が生息しているのです。

一方、海にも危険生物がたくさんいます。

有毒種ではエラブウミヘビやクロガシラウミヘビなどのウミヘビ類、アンボイナガイなどのイモガイの仲間、ハブクラゲ、ヒョウモンダコ、オニヒトデ、ウンバチイソギンチャク、オニダルマオコゼやミノカサゴなどの刺毒魚などなど。そうそうたるメンバーです。

また、毒はなくても凶暴なホオジロザメやイタチザメなどもいます。沖縄の海は危険生物がいっぱいです。

沖縄の海と陸の危険生物

陸の危険生物(沖縄)

毒蛇:ハブ(ホンハブ)


(画像提供:ハブの館)

ハブは、沖縄諸島と奄美諸島に生息する毒蛇です。マムシと同じクサリヘビ科に属する毒蛇で、強力な出血毒をもっています。体長は最大で2mを越えるものがいます。
ハブは、山地や平地、耕作地周辺に生息し、時には餌のネズミを追って屋敷や家屋内にも侵入します。ハブ咬傷被害の約80%がこれらの民家敷地内と畑で発生しています。
ハブ咬症の特徴は激しい痛みと腫れです。重篤な場合は内臓出血や全身の循環器障害を引き起こし死に至ります。

毒蛇:ハイ


(画像提供:Japanese Snakes)

ハイは、コブラ科ワモンベニヘビ属に分類される毒蛇で、奄美大島に生息するヒャンとは同属の亜種にあたります。 ハイはコブラ科のヘビだけあって毒性が強く、ハブの4~5倍の強い毒があります。
ただ、この蛇は全長30-56cmと小型種であり、口も小型で毒量が少なく、性質もおとなしいため、それほど危険な蛇とはされていません。沖縄でも実際の咬傷被害は報告されていないようです。

毛虫:ヤマンギ(クヌギカレハの幼虫)


(画像提供:You Tube)

クヌギカレハの幼虫で、黄土色~灰褐色の大型の毛虫。琉球亜種は沖縄では「ヤマンギ」と呼ばれ、毒が強いことで恐れられています。沖縄本島・石垣島・西表島・与那国島に分布。体長12cm程度の毛虫で、木の幹とよく似ていて非常にわかりずらく、山を登るときなど触れて刺されてしまいます。
頭部付近に2か所、毒針毛の束をもっています。毒針が刺さると激痛が走り、その後は数週間痒みが続くそうです。発熱する場合もあります。

ムカデ:トビズムカデ


(画像提供:虫央堂)

日本に生息する最大のムカデ。北海道から沖縄にかけて生息し、体長は普通8~15cm、希に20cm近くにもなります。口に一対の毒牙(顎)があり、咬まれると激しく痛みます。
山林に近い民家では、ゴキブリなどを捕食するためにしばしば家屋内部に侵入することがあります。
南米産に比べると毒性はやや弱いですが、それでも咬まれたら相当に痛みます。咬まれた箇所が腫れ、ときにはリンパ腺炎を起こしたり、発熱することもあります。

蜘蛛:ヤエヤマゴケグモ(在来種)


(画像提供:海外法人医療基金)

ゴケグモの仲間は強い神経毒をもつことで知られていますが、沖縄には在来種のゴケグモ/ヤエヤマゴケグモ(別名:アカボシゴケグモ)が生息しています。

大阪で1995年にセアカゴケグモ(外来種)が発見されて大騒ぎになりましたが、それより40年も前、沖縄がまだ米国統治下にあった1955年の話です。沖縄の西表島で27歳の日本人男性が『赤い斑紋のある黒い蜘蛛』に咬まれて呼吸困難に陥り、医師の治療を受ける事態になりました。

米軍所属の医師はセアカゴケグモによる咬傷被害と発表していましたが、その後の調査でセアカゴケグモは発見されず、紋様の形などから日本在来種のゴケグモ/ヤエヤマゴケグモであるとされました。
ヤエヤマゴケグモの分布の詳細は明らかではありませんが、沖縄地域に局地的に生息していることは間違いありません。注意が必要です。

海の危険生物(沖縄)

クラゲ:ハブクラゲ


(画像提供:エコネット・美)

ハブクラゲは沖縄地方で猛毒ヘビの「ハブ」にたとえて恐れられているクラゲです。沖縄や奄美の暖かい海域に生息しています。
このクラゲの恐ろしいところは、刺胞に強い毒があることと、透明で見えにくいことです。ハブクラゲに刺されると、瞬時に激痛がはしり、触手が絡みついた部位にはミミズ腫れや水疱、細胞壊死が生じます。重傷の場合はショック症状を起こし、呼吸困難、心肺停止に陥り死に至ります。

毒貝:アンボイナガイ


(画像提供:沖縄県警察HP)

アンボイナガイは、イモガイの一種で、人をも殺す猛毒をもつことで知られています。これまでに日本でも、少なくとも30人以上のダイバーがアンボイナ刺傷によって死亡しています。
イモガイの仲間は捕食性で、毒腺が付いた銛(もり)状の歯舌で他の動物を突き刺し、麻痺させて餌としています。
この毒は強烈で、アンボイナガイの毒の半数致死量(LD50)は、インドコブラの約37倍、世界最強の毒蛇といわれているインランドタイパンの約2倍の強い毒性です。

海蛇:エラブウミヘビ


(画像提供:yorisan's page)

沖縄や奄美のサンゴ礁にはエラブウミヘビが生息しています。本来おとなしい蛇で、素手で捕まえたりしない限り咬まれることはありませんが、ハブの70-80倍の強さと言われる猛毒をもっているため、万一咬まれたら大変なことになります。
エラブウミヘビは浅海を生活圏としており、昼間は波打ち際の岩穴で休息したり、陸上にも上がってきます。磯の潮だまりや浅い海でも普通にエラブウミヘビと遭遇する可能性がありますので、海遊びの際には充分な注意が必要です。

毒蛸:ヒョウモンダコ


(画像提供:Diver's High)

体長10cmほどの小型のタコです。つついたりして興奮させると、体中に鮮やかなルリ色の輪の紋様があらわれます。この模様が豹柄に見えることから「ヒョウモンダコ」と名づけられました。
ヒョウモンダコの唾液には、フグ毒と同じ強力な神経毒テトロドトキシンが含まれています。咬まれると呼吸困難に繋がる麻痺を引き起こし、酸素不足から心停止に至ることがあります。死亡例もいくつか報告されています。

イソギンチャク:ウンバチイソギンチャク


(画像提供:東京絵の具)

イソギンチャクはクラゲと同じ刺胞動物です。触手に刺胞があり、毒を使って小魚などを麻痺させて捕食します。 中でも、ウンバチイソギンチャクは猛毒をもち、極めて危険です。
人が刺されると激痛が走り、患部の腫れと壊死、痙攣、呼吸困難などをきたします。刺されたときの症状が重いことからウンバチ(海のハチ)と名付けられました。 沖縄以南のサンゴ礁域に生息しています。夜行性で、昼間は岩にへばりついていますが、夜になると高く伸びあがり触手を伸ばします。

他にも沖縄の海には危険な生物がたくさんいます。

魚類以外では、オニヒトデ、ガンガゼ、イラモ、クロガヤ・シロガヤ・アカガヤ(有毒ヒドラの仲間)などが浅い海にも生息しています。

また、魚類では、アカエイ、オニダルマオコゼ、ミノカサゴ類、アイゴ、ゴンズイなどの刺毒魚(ヒレなどに毒棘をもつ魚)、ウツボやトラウツボなど鋭い歯をもつ魚、ホオジロザメやメジロザメ、アカシュモクザメなど凶暴なサメの仲間がいます。

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