黒い蛇の正体を探る
身近に潜む黒蛇を徹底解明

身近に潜む黒い蛇(黒蛇)の秘密に迫ります。日本には「黒い蛇」として認識されているものは3種類います。シマヘビ、ヤマカガシ、マムシです。


カナヘビを捕食するカラスヘビ/シマヘビの黒化型で「黒い蛇」の代表格
(画像提供:その他の図鑑)

アウトドア趣味で山野を歩いていると、ときおり真っ黒い蛇に出会うことがあります。黒化型と言って、本来の蛇の体色が変異して(体色変異といいます)、黒色に変化したものです。

日本には「黒い蛇」として認識されているものは3種類います。シマヘビ、ヤマカガシ、マムシです。

なかでも山野で遭遇する機会が多いのがシマヘビでしょう。 シマヘビの黒化型はカラスヘビと呼ばれ、日本各地で目撃されます。

目の前に黒い蛇が突然現れるとびっくりしますが、大概はヘビの方もびっくりして、急いでその場を立ち去ってくれます。

ここでは、そんな黒い蛇たちを、画像も併せて紹介します。

黒い蛇=黒蛇

カラスヘビ/シマヘビの黒化個体

シマヘビはナミヘビ科ナメラ属に分類される無毒の蛇で、日本国内ではアオダイショウやヤマカガシとともによく見られるヘビです。全長80-150cm。通常は淡黄色の体色に、4本の黒い縦縞模様が入っています。

シマヘビは生息地域により、また個体によって体色変異が見られ、縦縞がまったくない個体もいます。黒化個体のカラスヘビは日本各地で目撃され、いわば日本の「黒い蛇=黒蛇」の代表格のような存在です。

黒い蛇 カラスヘビ


(画像提供:こんなものを見た)

川沿いの道端でとぐろを巻くカラスヘビ。
シマヘビはトカゲ・ヘビ等の爬虫類や、カエル等の両生類を好んで捕食することから、川辺や農耕地、里山の周縁部などで多く見られます。

カラスヘビ(黒化個体)とシマヘビ(普通個体)との交尾


(画像提供:博物雑記)

珍しい黒化個体と普通個体との交尾のシーンです。
体色が違っていても、お互いに同種のヘビであることは分かっているんですね。お幸せに!

お取り込み中ですが、せっかくの機会ですので、私たちは黒化個体と普通個体との色の違いを勉強させてもらいましょう。
普通個体は、淡黄色の体色に4本の黒い縦縞模様が入っています。
黒化個体は、真っ黒のほかにも、白い線やマダラ、ポツポツが混じったものもいます。

ヤマカガシの黒化個体

ヤマカガシはユウダ科の毒蛇です。長い間無毒と考えられていましたが、1972年に中学生が噛まれて死亡する事故が起きてから、毒蛇として認識されるようになりました。 口腔の後方に毒牙を有する後牙類(後牙蛇)の毒蛇です。

元来、おとなしいヘビですが、毒性はハブの10倍、マムシの3倍と強く、万一噛まれると大変危険です。多様な体色変異があるので注意しましょう!

ヤマカガシの黒化個体


(画像提供:大分ヘビ図鑑)

ヤマカガシは体色変異が強く、赤の斑紋がない個体(赤ぬけ)や白黒の個体、黒一色の個体など様々です。
写真は黒化型のヤマカガシですが、ここまで黒いとシマヘビの黒化型と見間違えそうです。顔の形、首から下方にかけてみられる薄い白の模様などからヤマカガシであることがわかります。

マムシの黒化個体

マムシ(ニホンマムシ)はクサリヘビ科の毒蛇です。全長45-80cmほどの小型のヘビですが、毒性が強く、毎年3000人ほどが咬傷被害にあって、そのうち10名ほどが尊い命を落としています。

マムシは水田や畑、野原、山林、水辺など、私たちが普段生活をしたり、アウトドア趣味を楽しむ環境の中に普通に生息しています。このことを忘れてはいけません。

マムシの黒化個体


(画像提供:キョロロ通信)

ずんぐりした体に三角形の頭。マムシの特徴を備えていますが、体が真っ黒だと、とっさにはマムシだと判らないほどです。

黒化型マムシには、マムシ特有の「銭型模様」さえも認められません。
山野で「黒い蛇」に出会ったとき、その体がずんぐりしていたらマムシかもしれませんので充分に注意してください。

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