ラーテル 世界一怖いもの知らずの動物

ラーテルは小型の哺乳類ですが、気性が荒く「世界一怖い物知らずの動物」として知られています。ライオンやハイエナにも果敢に攻撃を仕掛け撃退します。猛毒のコブラだって平気。咬まれても大丈夫です。


牙をむくラーテル(別名:ミツアナグマ)。気性は荒い。
(画像提供:ねっと動物園)

ラーテルはイタチの仲間。体長約60~80cmの小型哺乳類ですが、気性が荒く「世界一怖い物知らずの動物」として知られています。世界最強とも。

ライオンやハイエナに襲われても平気です。果敢に攻撃を仕掛けて相手を撃退します。
ラーテルの背面(頭部から背中)は、分厚い皮膚で覆われていてライオンの鋭い牙でも寄せ付けません。そのうえ、ラーテル自身も鋭い牙を持っているため、強敵にも臆することなく果敢に反撃します。

食性は雑食性で何でも食べます。コブラなどの猛毒ヘビもラーテルにかかればいちころです。簡単に捕獲され、頭からかじられて食べられてしまいます。

それにしても毒ヘビに咬まれることはないのでしょうか? 咬まれても大丈夫なのでしょうか? 何とも不思議な獰猛生物「ラーテル」。ラーテルの生態をのぞいてみましょう。

ラーテル(ミツアナグマ)

ラーテルとは

ラーテルは食肉目イタチ科に属する哺乳動物で、アフリカ大陸全域とアラビア半島やインドなどアジアの一部の地域に生息しています。

サバンナや乾燥した草原、岩石砂漠などを好み、おもに小型の動物(虫・両生類・爬虫類・小型哺乳類など)を捕食するほか、雑食性で、果実やハチミツなども食べます。

ラーテルの特徴は、何といっても背中の分厚い皮膚と鋭い牙、それと熊手のような鉤爪(かぎづめ)でしょう。
頭部から背中~お尻にかけては強くて分厚い皮膚で覆われていて、ライオンなどの鋭い牙でも歯が立ちません。頑丈な皮膚で守られている安心感もあってか、ライオンなどの大型猛獣に襲われても臆することなく果敢に戦いを挑み、相手を蹴散らしてしまいます。

ラーテル:防御力と攻撃力を併せ持つ最強動物


(画像提供:自然のチカラ)

ラーテルは体長60~80cm。尻尾を入れた全長でも80~110cm程度しかない小型哺乳類です。ヘビでもネズミでの、動くものは何でも貪欲に食べてしまいます、

頑丈に装甲された背中の皮膚が「最強の防御力」を発揮。自らの身を守りながら、鋭い牙と鉤爪で相手を攻撃します。

ライオンと対峙するラーテル


(画像提供:You Tube/honey badger vs Lions)

ラーテルからすすんでライオンと戦うことはありませんが、相手が襲ってきたら話は別です。戦うしかありません。
ラーテルの気性はすこぶる荒く、どんな大型猛獣に対してもひるまず果敢に戦いを挑みます。

こんなところから「世界一怖い物知らずの動物」との異名が付けられたのでしょう。ラーテルに与えられた一種の勲章です。

ラーテルの鋭い鉤爪(かぎづめ)

ラーテルの前足は鋭い鉤爪になっています。この爪を使って獲物を捕まえたり、相手を攻撃したり、土を掘ったり、木登りしたりと、変幻自在の行動ができます。

ラーテルは木登りも得意です。トカゲや蛇を追っかけて木に登ります。また地中の巣穴に潜む獲物をかぎつけると、鋭い爪で土を掘り起こし、獲物をゲットします。

毒蛇に咬まれても平気~神経毒に驚異の耐性

ラーテルは雑食性で何でも食べますが、ヘビも大好物です。もちろんコブラやバンバなどの猛毒ヘビだって、ラーテルにとっては単なるごちそうにすぎません。

鋭い鉤爪で捕まえて、これまた鋭い牙で頭に食いつき、あっという間の早業で殺してしまいます。あとは時間をかけて、ゆっくりとおいしい食事を楽しむだけです。

ラーテルの動作は素早く、通常は毒蛇に咬まれることはありません。でもたまに失敗して、毒蛇の先制攻撃をよけきれずに咬まれてしまうことがあります。それでもラーテルは大丈夫です。

ラーテルはヘビ毒に対して耐性があり、体の中で神経毒を分解して無毒にしてしまう能力を備えているのです。

もちろんヘビの毒も強力ですので、咬まれた直後はさすがのラーテルも神経毒に体がマヒして一時的に動けなくなります。でも1~2時間もすればすっかり解毒が進み、体の自由が利くようになります。するとまた食事に戻り、食べ残した毒蛇をおいしそうに食べ始めます。

毒蛇を捕食するラーテル


(画像提供:NATURALEZA INSOLITA)

ラーテルが生息するアフリカやインド亜大陸は毒蛇の宝庫でもあります。ラーテルの重要な主食のひとつです。

ハチの巣を襲撃するラーテル


(画像提供:You Tube/around the nature)

ラーテルは雑食性で蜂蜜も大好きです。そのため別名「ミツアナグマ=蜜穴熊」とも呼ばれています。

樹上や木のうろ、倒木、岩の割れ目、土の中など、ハチの巣を見つけたら鋭い鉤爪で襲撃して巣ごと食べます。ハチミツも好物ですが、一緒に得られる幼虫や卵などのタンパク質を得るのも目的のようです。

ラーテルは人間にも一目置かれる存在


(画像提供:You Tube/around the nature)

ラーテルは、その強さ・しぶとさ・不死身の個体ゆえに、人間、とりわけ戦いを宿命とした軍隊の世界で尊敬され、装甲車の名前にも採用されています。

ラーテル装甲車。ラーテル歩兵戦闘車とも呼ばれるこの兵器は、まさにラーテルの強さ・しぶとにあやかりたいという願いを込めて命名された軍事車両です。ラーテル20。南アフリカ陸軍によって開発され、1976年に実践配備されました。

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