感染症とは
(感染症の種類と原因)
感染症は、病原性の微生物が人の体内に侵入することで引き起こす疾患です。感染症を引き起こす病原体と感染症の種類について解説します。
蚊は様々な病原体を媒介する恐ろしい吸血鬼です。
(画像提供:Wikipedia)
感染症とは、病原性の微生物が人の体内に侵入することで引き起こす疾患です。
風邪は最も一般的な感染症ですが、その他にもインフルエンザやペスト、マラリア、狂犬病、エボラ出血熱、ウエストナイル熱など多種多様な感染症があります。
感染症を引き起こす病原性の微生物を「病原体」といいます。病原体にはウイルスと細菌と真菌(カビ)がありますが、これらの病原体は飛沫感染や接触感染などの経路によるほか、ネズミやイヌ、蚊などが媒介して人の体内に侵入してきます。
感染症のなかには毒性が強く、人を死に至らしめるような恐ろしいものもあります。
ここでは、感染症を引き起こす病原体と感染症の種類について観ていくことにしましょう。
感染症の種類と原因
感染症とは
感染症とは、ウイルスや細菌などの病原性の微生物が人の体内に入り込んで増殖し、発熱や下痢などさまざまな症状を引き起こす疾患です。
私たちの身の回りには、目に見えない多くの微生物(細菌、ウイルス、真菌=カビ)が存在しています。その中で、感染症を引き起こす病原性の微生物を「病原体」といいます。
また、回虫や蟯虫(ギョウ虫)のような寄生虫によって起こる寄生虫症も感染症の1つです。
感染症には毒性が強い恐ろしい病気があり、世界ではいまでも新しい感染症がつぎつぎと見つかっています。感染の経路を知り、適切な予防と対策を施すことが、人類を感染症のリスクから守る唯一の手段となっています。
感染症を引き起こす病原体
感染症を引き起こす代表的な病原体を以下に列挙しました。いずれもニュースなどでよく耳にするものです。
ウイルス |
ノロウイルス、ロタウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIV、狂犬病ウイルス、ウエストナイルウイルスなど |
細菌 |
ブドウ球菌、大腸菌、腸管出血性大腸菌(O-157ほか)、サルモネラ菌、緑膿菌、コレラ菌、赤痢菌、炭疽菌、結核菌、ボツリヌス菌、破傷風菌、レンサ球菌、ペスト菌、クラミジア、マイコプラズマなど |
真菌(カビ) |
白癬菌(水虫・陰金・田虫)、カンジダ、アスペルギルスなど |
原虫 |
エキノコックス、アニサキス、マラリア原虫、広東住血線虫など |
世界のさまざまな感染症(動物由来の感染症)
動物由来の感染症とは、動物から人へ感染する感染症のことです。人には症状が出るけれど動物には症状がでないもの、動物にも人にも症状が出るものなどがあり、病原体によって症状はさまざまです。
日本には動物由来の感染症はそれほど多くありません。しかし、世界にはさまざまな動物由来の感染症が知られていて、多くは熱帯や亜熱帯に集中しています。それらのいくつかを観てみましょう。
- 狂犬病
- ウイルスに感染したイヌやネコ、キツネ、コウモリなどに咬まれると感染する。最初は風邪に似た症状だが、次第に知覚の異常、興奮、麻痺などがおき、死に至る。
- 鳥インフルエンザ
- ウイルスに感染した鳥やその排泄物、肉などに触ることで感染する。初期症状は発熱や肺炎などをおこす。重症になると死亡するものもある。
- ウエストナイル熱
- ウエストナイルウイルスをもつ蚊に刺されることで感染する。突然の発熱、頭痛、筋肉痛、発疹がおきる。後遺症として脳炎などをおこす危険がある。
- ペスト
- ペスト菌を持つノミがネズミやネコ、イヌなどに寄生して伝播する。腺ペスト、肺ペストなどがあり、感染すると敗血症をおこす。
- エキノコックス
- 寄生虫エキノコックスの卵が口から入ることで感染する。日本では、北海道に棲むキタキツネから感染することがある。
- オウム熱
- ペットのセキセイインコ、オウム、ハトの糞に含まれる菌(クラミジア)が原因の感染症。1~2週間で高熱がでて、重症だと呼吸困難や意識を失うこともある。
- 広東住血線虫症
- アフリカマイマイやナメクジから感染する。感染後、約2週間ほどで激しい頭痛や発熱、痙攣をおこすことがあり、重症だと失明、死亡することがある。
- マラリア
- ハマダラカの吸血時にマラリア原虫を媒介して感染する。発熱後に治療をしなければ死ぬこともある。熱帯では致命的な感染症のひとつ。
- 日本脳炎
- 日本脳炎ウイルスに感染した主にコガタアカイエカに刺されることで感染する。高熱を発し、痙攣、意識障害に陥る。脳に麻痺などの後遺症が残る。
※引用:学研の図鑑「世界の危険生物」に一部加筆した。
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