最強の海洋生物 シャチの生態と知恵

シャチは世界最大最強のイルカの仲間です。海洋の食物連鎖の頂点に君臨し、海のギャングとも呼ばれるシャチの生態と知恵についてまとめました。


砂浜に乗り上げてオタリアを襲撃するシャチ
(画像提供:Mail Online)

シャチは世界中の海に生息する世界最大最強のイルカの仲間です。 きわめて知能が高く、人間にもなつきやすいため水族館でも飼育されて人気者になっています。

だがひとたび野性に還れば、「海のギャング」の本性が牙をむきます。

アメリカの水族館ではトレーナー3人が飼育下のシャチに襲われて死亡する事故も起きました。

南米パタゴニア地方では、シャチが砂浜に乗り上げてオタリア(アシカの仲間)を捕食する驚愕シーンが目撃されます。
巨大なシャチの前では、全長2mのオタリアもまるでおもちゃです。なす術もありません。

シャチ/海のギャング

シャチとは

海洋生物の中で最強と言えば、海のギャングの異名をもつ「シャチ」でしょう。クジラやアザラシなどの海生哺乳類を捕食し、ときにはサメなども襲うことがあります。

シャチは、クジラ目マイルカ科に属する哺乳動物です。イルカの仲間では最大の種であり、最大級のオスでは体長9.8m、体重は10tにも達します。

この豊かな体格と鋭い歯、発達した知能に裏打ちされて、向かうところ敵なし。野生では獰猛貪欲な最強のハンターです。

シャチの英名は「Killer Whale」(殺し屋のクジラ)。学名のOrcinus orca は「冥界から来た悪魔」を意味しています。まさに海のギャングそのものです。

シャチの「スパイホッピング」


頭部を海面から出して辺りの様子をうかがうスパイホッピング。氷上のアザラシの位置を確認しています。(画像提供:Silverstone)

波で遊ぶシャチ


波乗りも迫力満点。波の利用はお手の物です。(画像提供:万物の証明)

氷上のアザラシを狩るシャチ

シャチは通常、数頭から数十頭ほどの群れを作って生活し、非常に社会的な生活を営んでいます。他のハクジラと同様に、コールと呼ばれる音波を使って、群れのメンバー同士で自由にコミュニケーションを取っていることが知られています。

シャチの狩りで圧巻なのは、氷上で休んでいるアザラシを集団で狩るときです。

10メートル四方は優に超える大きな海氷の上でくつろぐアザラシ。だが一旦シャチに狙われると、氷上と言えども安全ではありません。 氷が大きいときは、シャチ達は密着して息を合わせて氷ギリギリを泳ぎ、波を起こして氷を割ってしまいます。アザラシが割れ目に落ちてしまえば一巻の終わりです。

幸運にも難を逃れて氷上に何とかよじ登っても容赦はありません。今度は小さくなった氷の表面に大波を送って、まるで津波のようにアザラシを洗い流します。
波を起こす役と氷の反対側で待ち伏せる役とがきちんと決められていて、整然と狩りが行われます。見事というほかありません。

氷上のアザラシを狩るシャチ

5~6頭のシャチが横一列に密着して並び、手前から氷の下を通過します。大波を起こしてアザラシを氷上から押し流す作戦です。
どう泳げば大波が立つのか、シャチはちゃんと知っているのです。(手前にシャチが確認できます)

発生した大波はまるで津波のように氷上に押しかけます。アザラシはひと溜まりもありません。
押し流されてシャチが待伏せる海面に落ちてしまいました。万事休すです。
(画像はYou Tubeによる)

海の王者シャチ~食物連鎖の頂点に立つ

シャチは、海洋の食物連鎖の頂点に立ち、自然界に天敵は存在しません。そのため世界中の海に君臨しています。

捕食する餌も、小さいものは魚・イカ・海鳥・ペンギンから、比較的大きなものではオタリア・アザラシ・イルカなど、ときにはクジラやサメ、ホッキョクグマなども捕食しています。
この食性の多様さも「最強の海洋生物 シャチ」の繁栄を支えていると言えましょう。

オタリアを狩るシャチ


(画像提供:Mail Online)

オタリアを狩る。 シャチにとっては、そんなに難しい仕事ではありません。

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