家にいる蜘蛛(くも)の種類
画像で確認~家の中や家の周囲に棲んでいるクモ

家にいる蜘蛛(クモ)の秘密に迫ります。くもは家の中や家の周囲などいたるところに棲んでいます。大きい蜘蛛もいれば、小さい蜘蛛もいます。家にいる黒や茶色の蜘蛛についてまとめました。


家にいる蜘蛛の代表格=ハエトリグモ/写真はアダンソンハエトリ
(画像提供:ゴキブリが親友です)

蜘蛛(クモ)の仲間は、日本国内には57科・約1,200種が知られています。種類も多く、蜘蛛は家の中や家の周囲、公園、道端、野原、山林など陸地のあらゆる場所に棲んでいます。

ここではそれら多種多様なクモの中から、「家にいる蜘蛛」にフォーカスして、家の中と家の周囲にいる蜘蛛の代表種を紹介します。

なお、多くの人が蜘蛛は「網を張って獲物を待ち構えている」、つまり「蜘蛛の巣をつくるもの」と思い込んでいますが、それは間違いです。実際には半分の種は網を張らないで獲物を狩ります。

蜘蛛はその生態から、網を張る「造網性の蜘蛛」と、歩き回って獲物を捕食する「徘徊性の蜘蛛」、地下の巣穴で獲物を待ち伏せる「地中性の蜘蛛」に大別されます。そこらあたりもよく理解しておいてください。

それでは、家にいる蜘蛛の解説に移ります。

家の中や家の周囲に棲んでいる蜘蛛

家にいる徘徊性の蜘蛛

家にいる蜘蛛の種類は、アシダカグモ、ハエトリグモ、イエユウレイグモ、イエオニグモ、オオヒメグモ、ヒラタグモなど6種が代表的な蜘蛛ですが、このうち、アシダカグモとハエトリグモが徘徊性の蜘蛛です。残りは造網性の蜘蛛になります。

アシダカグモ/家にいる徘徊性の蜘蛛


(画像提供:クモ綱画像)

アシダカグモ(脚高蜘蛛)は、クモ目アシダカグモ科に属する蜘蛛です。名前のとおり長い脚を持っていて、わが国でも最大級の大型クモとして知られています。蜘蛛の巣は張らずに、エサを探して家中を歩き回って、ゴキブリや蛾(ガ)などの昆虫を捕食します。

アシダカグモは夜行性で薄暗い所を好み、昼間は屋根裏や家具などの隙間に隠れていて、夜になると壁などに出てきて捕食行動をとります。


アシダカグモは手のひらサイズ
(画像提供:虫づくし)

アシダカグモは全長が100~130mmにもなる大型のクモです。音楽用CDの直径が117mmですから、場合によってはCDからもあふれる大きさです。この蜘蛛がいかに大きなクモであるかが判ります。人の手に乗っけても御覧のとおり。手のひらいっぱいになる大きさです。

アシダカグモは家の中にはどこだって現れます。寝室、台所、居間、勉強部屋、納戸の中、廊下、玄関、などなど。電気を点けた途端、目の前の壁を大きな灰褐色の蜘蛛が這っていて、びっくりすることもよくあります。

ハエトリグモ/家の中にいる徘徊性の蜘蛛


(画像提供:日本のスジハエトリグモ)

家で見かける黒くて小さな蜘蛛です。ハエトリグモ(蠅捕蜘蛛)は、クモ目ハエトリグモ科に属するクモ類の総称です。世界中に多くの種類があり、家の中や外壁、庭、公園など多様な環境で生息しています。(写真はチャスジハエトリ)

ハエトリグモは、英名を「jumping spider(ジャンピング スパイダー)」といわれるようにジャンプが得意です。捕まえようとして手を差し出すと、ピョンピョンとジャンプして素早く逃げてしまいます。驚くべき身体能力です。

ハエトリグモは、この得意な能力を生かして、獲物を発見するとそっと近づき、一気に飛び掛かって強力なあごで咬みつきます。主にハエや蚊などの小型昆虫を捕食します。


糸を出してジャンプするハエトリグモ
(画像提供:西日本新聞)

ハエトリグモは網は張りませんが、糸は持っています。移動中もお尻から糸を出して道しるべにしたり、危険に際しては糸を命綱にして壁から飛び降りたりします。空中を大ジャンプしても命綱があるから安心です。

家にいる造網性の蜘蛛

家にいる代表的な蜘蛛のうち、造網性の4種のクモです。イエユウレイグモ・イエオニグモ・オオヒメグモ・ヒラタグモの4種。蜘蛛の嫌いな人にとっては、クモそのものの存在と蜘蛛の巣の存在とで、二重苦を味わうことになります。

イエユウレイグモ/家にいる造網性の蜘蛛


(画像提供:虫ドットコイ)

体が非常にきゃしゃで、細くて長い脚を持った蜘蛛です。クモ目ユウレイグモ科に属しています。
イエユウレイグモは、薄暗い物陰に生活するものが多く、物置の隅っこや天井のかど、家具と床の隙間などに立体形の不規則網を作ります。蜘蛛はその網の中央に下向きにぶら下がっています。驚かすと網を揺さぶり威嚇します。

イエオニグモ/家にいる造網性の蜘蛛


(画像提供:生物写真集)

クモ目コガネグモ科の中型のクモです。イエオニグモは人家に生息していることが多く、家の軒下などでよく見かけます。
垂直かそれに近い円網を張りますが、この蜘蛛の面白いところは、昼間は網をたたみ、夕方になるとまた網を張り直すのです。せっかく造った網も翌朝にはまたたたんで、自分自身は糸で作った小さなシート状の窪みのようなところに身を潜めています。

オオヒメグモ/家にいる造網性の蜘蛛


(画像:京都九条山自然観察日記)

オオヒメグモはヒメグモ科のクモで、灰色っぽい丸いおなかのクモです。日本全国の広い範囲に生息していて、人家ではごく普通に見られます。部屋の隅っこ、壁の隙間、ベランダなどのほか、屋外でも外階段の下や庭の側溝、塀などいたるところにいます。
立体形の不規則網を張り、地面や壁を歩くアリなどの昆虫を捕食しています。

ヒラタグモ/家にいる造網性の蜘蛛


(画像:wildelife portrait archive)

クモ目ヒラタグモ科の蜘蛛で、名前のとおり少し偏平な感じのクモです。人家に生息することが多く、外壁などに巣を作っているのがよく見られます。
巣はほぼ円形で、中央が少し盛り上がったテント型をしています。広い壁の真ん中に巣をかけていることも多く、よく目立ちます。

家にいる地中性の蜘蛛

地中性の蜘蛛は私たちの家の周囲にもたくさんいるのですが、地中で生活しているためにあまり気付くことはありません。家の周囲のコンクリート土台などに巣を作っているので、機会があったら観察してみてください。

ジグモ(地蜘蛛)


(画像提供:採集記)

日本各地で、人家の庭先にも普通に生息している身近な蜘蛛です。近縁のトタテグモ類と同様、地下に穴を掘って袋状の巣を造り、獲物を待ち伏せします。
ジグモの体色は黒色で、鋏角が大きく発達していてほとんど頭胸部と同じくらいの長さがあります。

ジグモの巣


(画像提供:採集記)

ジグモの巣です。袋状の巣は、人家の外壁や木の根に沿ってそのまま地上部に延長されていて、餌となる小型甲虫やダンゴムシ、ワラジムシなどが地上の巣袋に触れると、ジグモは巣の内部から袋越しに長大な鋏角で獲物に咬みつき、袋を破れるままに巣内に引きずり込んで捕食します。

↓↓ タイトルをタップ/クリック(内容表示)

アウトドア趣味に関する総合情報サイト>アウトドア雑学>家にいる蜘蛛(クモ)の種類~大きい・小さい・黒や茶色のくも画像