【パニック】アメリカ
4000匹の毒グモが家の壁から出てきた

ドクイトグモ(毒グモ)が民家で大量発生し、壁の中からゾクゾク這い出すという事件がアメリカで発生しました。驚きというより恐怖です。


ドクイトグモ/咬まれたら大変です。
(画像提供:YouTube)

アメリカ・ミズーリ州の住宅で猛毒をもつドクイトグモ(Brown recluse spider)が大量に発生。壁の中から4000匹を超す毒グモが次々に出てきて、住民は大パニックになりました。

まるでホラー映画のような光景です。

ドクイトグモはアメリカ中西部に分布する毒蜘蛛で、アメリカ国内ではクロゴケグモと並ぶ強毒の持ち主です。

ドクイトグモに咬まれると激痛がおそい、咬み傷周辺の皮膚が水疱や潰瘍、壊死を起こして、大きなクレーター状の瘢痕(はんこん)を残します。稀ながら死亡例もあります。

住民は結局、引っ越しを余儀なくされたそうです。

◇出典:National Geographic News/October 20, 2014

ドクイトグモ
(ブラウンレクルーススパイダー)

ドクイトグモとは

ドクイトグモは、イトグモ科に分類されるクモの一種で、その名のとおり強い毒をもっています。米国の中西部~中南部に生息していて、英語名をブラウンレクルーススパイダー(Brown recluse spider)と称します。「褐色の隠者のクモ」といった意味です。

夜行性で、通常は薄暗いところや物陰、石の下などを生活の場としています。民家や納屋などに生息することもあり、壁に網を張って昆虫を捕食します。

ドクイトグモは細長い足を持ったクモで、体長は7-12mm程度ですが、成体では38mmにまで大きくなるものもいます。頭胸部背面にバイオリンによく似た形の褐色の斑紋をもつのが特徴です。


ドクイトグモ(画像提供:wikipedia)

ドクイトグモ。
細長い足を持った褐色のクモで、アメリカではクロゴケグモと並ぶ強毒の持ち主です。


ドクイトグモの頭部と背中

背中にはバイオリンによく似た斑紋があります。
ドクイトグモの特徴の一つです。
(頭胸部背面の拡大写真)

バイオリンの胴体基部には真っ黒い頭部が・・・
鋭い眼光と毛むくじゃらの触肢が不気味です。
口の先端にある毒牙(鋏角=きょうかく)は、この写真ではよく見えません。

ドクイトグモの毒

蜘蛛の毒は通常「神経毒」ですが、ドクイトグモの毒は他のクモとは違ってかなり特殊な毒性を示します。
ドクイトグモに咬まれるとそこが壊死性の病巣になり、皮膚が溶け出し、壊死して剥がれ落ちてきます。まるで、マムシやハブなどの出血毒に似た、皮膚に重い症状が残ります(写真後掲)。
毒の注入量や咬まれた部位によっては大変に悲惨な結果を招きかねません。稀ながら死亡例も報告されています。

ドクイトグモに咬まれた場合、最初はチクリとした軽い痛みしかなく、刺されたことに気が付かないことも多いようです。
約1時間ほど経ってから、咬み傷周辺に激しい痛みが生じ始め、傷の領域全体が赤くなって、水疱ができてきます。水泡は時に破裂して開放性のびらん(潰瘍)を形成し、大きなクレーター状の瘢痕(はんこん)を残します。

症状が重い場合には、吐き気や嘔吐、発汗、腎不全などを伴います。死に至ることはほとんどないようですが、大変に危険な毒グモであることは間違いありません。

ドクイトグモ咬症(実例写真)

ドクイトグモに咬まれた場合の実例写真です。皮膚は壊死を起こし、たとえ一命は取り留めても、患部に傷跡が残ることは避けられません。

ドクイトグモに咬まれた足(太もも)の傷


(画像提供:MedicineNet.com)

患部の太ももには、深刻な壊死性病変が見られます。
写真は受傷後9日目の状況ですが、10か月経過してようやく傷口は治癒したものの、ケロイド状の傷跡が残ってしまいました。

ドクイトグモに咬まれた手(親指)の傷


(画像提供:You Tube)

こちらもかなりひどい状況です。受傷後10日目。

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