キャンプの歴史

私たちが普段から楽しんでいるキャンプ。このキャンプは一体いつ頃から始まったのでしょうか? キャンプの歴史を調べてみました。大学のキャンパスもプロ野球の春季キャンプも、根っこ(ルーツ)は同じなんですね。


キャンプって軍事用語?キャンプの歴史・軍事からレジャーへ
(画像提供:防衛省 情報検索サービス)

キャンプって軍事用語?

そうなんです。キャンプ(CAMP)は、もともと軍事用に使われていた言葉です。
今でも、例えば米軍基地などではキャンプという呼称が多く使われています。

 キャンプシュワブ(沖縄県)
 キャンプハンセン(沖縄県)
 キャンプ座間(神奈川県)などなど・・・。

私たちが普段イメージする「レジャーキャンプ」とは、ずいぶんイメージが違いますね。

キャンプは一体いつ頃から始まったのでしょうか?
ここでは、キャンプの出生の秘密を少し見てみましょう。

軍事からレジャーへ

キャンプの語源

『CAMPはラテン語で「平らな」を表す言葉です。
その昔、平らなところに砦のようなものを築き、そこに兵隊を置き訓練を行いました。
そして、いつのまにか「共に生活しながら、兵隊の訓練をするところ」をCAMPと呼ぶようになり、さらに転じて「仲間と共同生活をする」という意味になりました。』
<社団法人日本キャンプ協会による>

そうなんですね。キャンプはもともと、軍事訓練をする場所だったんです。
軍事訓練ですから移動が伴う場合も当然あります。そのような時にはテントを設営して、野営しながら訓練を続けます。
「キャンプ=テント設営」のイメージが定着したのもこのためです。

近代用語では、抑留所や収容所などもキャンプと呼びます。
例えば「難民キャンプ」。
そういえば仮設のテントを張ってる風景をテレビなどで目にします。

大学キャンパスもキャンプが語源


(画像提供:wikipedia)

ちなみに、大学の構内を「CAMPUS(キャンパス)」と呼びますが、その昔、CAMPの跡地にローマ大学を建てたことが始まりだそうです。最高学府の教育現場も軍事面と関連があるんですね。

写真はローマ大学(サピエンツァ校)

聖職者養成のための神学校がローマ市内に設立され、後にこの神学校がローマ・ラ・サピエンツァ大学の前身となりました。

レジャーキャンプの歴史

日本キャンプ協会では、キャンプを「共に生活をし、自然体験をすること」と定義しています。
ただ、もともとが軍事訓練から出発した言葉ですから、キャンプ自体に、団体行動を通じて心身を鍛錬するという意味合いが込められています。

日本で最初に組織的なキャンプが行われたのは、1911年(明治44年)、学習院院長:乃木希典(のぎまれすけ)の提唱によって、神奈川県片瀬海岸で実施された学習院の臨海キャンプだと言われています。

陸軍大将だった乃木希典は英国皇帝の戴冠式に出席した際に、ロンドンでボーイスカウトの創始者ベーデン・パウエルに会見、またボーイスカウトのキャンプを見学し、これまで毎年行っていた学習院の夏期遊泳にスカウト式キャンプを取り入れたものです。

この頃はまだキャンプにレジャーといった考えはなく、大自然のなかでの心身鍛錬といった教育的意味合いが強いものでした。

このスカウト式キャンプは、その後、ボーイスカウトやガールスカウト運動に、さらに小中学校のサマーキャンプや体験学習などに取り込まれて現在に至っています。

レジャーのためのキャンプは、このスカウト式キャンプから派生したものです。

キャンプの楽しいところだけを取り出して、家族や友人たちとの交友・親睦のために利用されてきました。
その歴史は浅く、日本でレジャーキャンプが行われだしたのは戦後の混乱期が終わってからの、せいぜい40~50年の歴史しかありません。

ただ最近のアウトドア志向の高まりと共に、レジャーキャンプの需要は急速に増大してきています。

キャンプとスポーツ

スポーツ分野と軍事用語とは密接な関連があります。
例えば、プロ野球。
シーズン開幕前の「春季キャンプ」や新人選択の「スカウト」など・・・。元をただせば皆、軍事用語です。


プロ野球は軍事用語の宝庫。(画像提供:ゴレの部屋)

 ⇒詳しくは キャンプとスポーツ をご参照ください。

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