気象予報士の資格を取ろう
気象予報士は天気予報のプロです。アウトドアの達人の中にも天気予報のプロがいます。それならいっそ気象予報士試験に挑戦してみましょう。
気象予報士の仕事はテレビ局の天気キャスターをはじめ多岐にわたる。
(画像提供:女子アナfan)
アウトドアの達人は天気予報の達人でもあります。
ひと昔前までは、山登りをする人は夜、テントの中でラジオを聴きながら自分で天気図を作成していたものです。まるで気象予報士ですね。
どこに低気圧があって前線がどのように延びているのか。明日の天気はどうなるのか。この吹雪がいつ止むのか・・・
大げさに言えば命に関わる問題ですから、皆真剣に勉強をして自らを鍛えていました。
天気予報にかけては気象予報士並みの腕前を持っていたのです。
いまでも、キャンプや釣り、マリンスポーツなどアウトドア趣味を楽しんでいる人は、普段から天候の変化や風の変化、波の変化を読んで、自分の遊び・趣味にうまく利用しています。
そんな能力を自分のためだけに使うのはもったいない限りです。
思い切って気象予報士試験にチャレンジしてみませんか。
うまくいけば3年後には、どこかのテレビ局で「○○さんの天気予報」なんてことをやってるかも知れませんよ(笑)。
気象予報士試験
気象予報士とは
気象予報士試験は、財団法人気象業務支援センターが、気象業務法に基づき気象庁長官の指定(指定試験機関)を受けて行っています。
気象予報を行う事業者は、現象の予想を気象予報士に行わせることが義務づけられています。つまり、天気予報を行うには気象予報士の資格が必要なのです。
気象予報士となるためには、財団法人気象業務支援センターが実施する気象予報士試験に合格し、 気象庁長官の登録を受けることが必要です。
気象予報士試験って難しいの?
はっきり言ってかなり難しい試験です。合格率は、第1回試験(1994年8月)の18%を最高に年々低下しており、最近では5%を割り込むことも多くなりました。
気象予報士制度ができてすでに十数年が経過。最初のうちは、ある程度の数の気象予報士を早期に確保する必要から、採点もやや甘かった?きらいがありますが、最近は本当に狭き門になっています。
試験は毎年2回、夏(8月)と冬(1月)に行われています。今はまだ年2回ですが、気象予報士の数が増えてくるとやがて試験は年1回になる可能性もあります。チャレンジするなら少しでも早いほうが有利です。
気象予報士試験の合格率
試験日 | 受験者数 | 合格率 |
1994年 8月 (1回) | 2,777 | 18.0% |
1994年12月 (2回) | 2,705 | 11.6% |
1995年 3月 (3回) | 2,771 | 10.0% |
1995年 8月 (4回) | 3,257 | 10.3% |
1996年 1月 (5回) | 2,461 | 8.3% |
1996年 8月 (6回) | 3,083 | 5.3% |
1997年 1月 (7回) | 2,587 | 8.0% |
1997年 8月 (8回) | 3,281 | 5.0% |
1998年 1月 (9回) | 3,037 | 5.3% |
1998年 8月(10回) | 3,705 | 4.2% |
(中略) | | |
2011年 1月(35回) | 4,330 | 5.6% |
2011年 8月(36回) | 4,349 | 4.4% |
2012年 1月(37回) | 3,952 | 4.7% |
2012年 8月(38回) | 4,016 | 4.2% |
気象予報士試験ってどんな問題が出るの?
試験は学科試験と実技試験があります。
■学科試験
学科試験は、予報業務に関する一般知識と予報業務に関する専門知識があり、原則として5つの選択肢から1つを選択する多肢選択式です。気象学の知識が幅広く試される問題構成となっています。
- 1)一般知識:
大気の構造、大気の熱力学、降水過程、大気における放射、大気の力学、気象現象、 気候の変動、気象業務法その他の気象業務に関する法規
- 2)専門知識:
観測の成果の利用、数値予報、短期予報・中期予報、長期予報、局地予報、短時間予報、気象災害、予想の精度の評価、気象の予想の応用
どちらの試験も試験時間は60分、マークシートによる選択式でそれぞれ15問出題されます。そのうち11問以上正解で合格となります。
■実技試験
実技試験は、文章や図表で解答する記述式です。
- 1)気象概況及びその変動の把握
- 2)局地的な気象の予想
- 3)台風等緊急時における対応
などについて、2つの設問があります。
いずれの設問も10枚前後の天気図を利用して、現在までの気象の把握とこれからの気象現象の予想を行います。つまり資料をもとに受験者自身が天気予報を考えるわけです。
気象情報を正しく活用できるか、論理的にきちんと予報できるかがポイントになります。さらに、現況や予想にもとづく警戒地域の把握と警戒事項などについても問われます。
合格基準点は毎回公表されており、2つの回答の総得点が満点の概ね70%以上で合格となります。
(※例えば平成24年度第1回(通算第38回)の気象予報士試験では、実技試験の合格基準は、総得点が満点の64%以上でした。問題の難易度や合格率などを勘案して毎回調整しているものと思われます。)
試験の時間割および試験科目
気象予報士試験の時間割です。お昼の休憩時間をはさんで、午前が学科試験、午後が実技試験に充てられます。
毎年同じパターンなんですが、実際に気象予報士試験を受験する場合には、事前に必ず財団法人気象業務支援センターに問合せして、変更等がないか確認してください。
→財団法人気象業務支援センター
試験の時間割と試験科目
試験時間 | 試験科目 |
09:45~10:45 | 学科試験:予報業務に関する一般知識(多肢選択式) |
11:05~12:05 | 学科試験:予報業務に関する専門知識(多肢選択式) |
12:05~13:10 | 休憩 |
13:10~14:25 | 実技試験:気象概況及びその変動の把握、局地的な気象の予想、台風等緊急時における対応(記述式) |
14:45~16:00 | 実技試験:気象概況及びその変動の把握、局地的な気象の予想、台風等緊急時における対応(記述式) |
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