天気予報の的中率
天気予報は当たる? 予報精度の検証
天気予報は当たるのか当たらないのか?天気予報はどのくらいの精度で的中するのか? 気象庁の過去50年間のデータを用いて天気予報の精度を検証します。
高機能コンピュータを駆使して行う気象解析だが・・。天気予報の的中率は?
(画像提供:双天信録)
天気予報では、明日は雨は降らないだろうといっていたのに降られてしまった。まったく天気予報は当たらないなあ・・・。
こんな経験をした方も多いはずです。
子供の頃の遊びで、履物を蹴り上げて「表が出たら明日は晴れ」「裏が出たら明日は雨」というのがありました。
確立5割の天気予報。「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の世界です。
だから天気予報で50%の的中率というのは、「履物天気予報」と同じで、科学的な予報が全くできていない「実質の的中率=ゼロ」の世界なのです。
「雨が降るか降らないかは明日になってみないとわからない」といった状態なのです。
それでは、現実の天気予報はどれだけの的中率(適中率)なのか?気になるところです。
天気予報はどれだけ当たるのか?
どのくらいの精度(正しさ)で予報できているのか?
そこらあたりは気象庁でもしっかり検証していますので、興味のある方は以下をご覧ください。
過去50年間の予報精度
過去50年間の翌日の予報精度
毎日の夕方17時に翌日の天気予報が発表になります。「明日の天気」として夜のニュースの前後に毎日放送されています。
この夕方発表した翌日の天気予報がどれだけ的中しているか。
東京地方の天気予報を例にして、「翌日雨が降るかどうか」の予報の的中率を調べてみると次のような結果になります。
- ■1950年: 的中率約72%
- ■1975年: 的中率約79%
- ■2000年: 的中率約84%
- ■2006年: 的中率約86% (いずれも過去5年平均値。気象庁調べ)
上昇する適中率。それでも100回に14回はハズレ
天気予報の的中率は年々上昇していることがわかります。
今から半世紀前の1950年は、的中率は約72%でした。的中率50%が実質のゼロ基準だとすると、予報精度はあまり良いとは言えません。
それから50年が経過。的中率もずいぶん改善されました。
2000年には的中率は84%と12ポイントも改善しています。2006年にはさらに86%にまで上昇しています。
ただし、この的中率が高いか低いかは見方が分かれるところです。
86%の数字自体は確かに高いようですが、それでも100回予想したら14回は外れていることになります。
最近では人工衛星を使った宇宙からの観測体制が整い、気象変動の解析もスーパーコンピュータの何百倍も能力がある地球シミュレータで行われる時代になりました。
最近では、その地球シミュレータさえ旧式になって、さらに高能力の新型コンピュータが解析に使われています。
ただ、それでも明日の天気予報が14%も外れるのだと・・・
まあ、そのようにお考えください。
気象変動は多くの要因が作用するため、正確に予報するのは本当に難しいんですね。
週間天気予報の精度
翌日の天気予報でさえ14%は外れるのですから、期間が長い週間天気予報になるとさらに的中率は厳しくなります。
雨が降るかどうかについて予想した週間天気予報について、3日目の予報の的中率は約72%、5日目で約69%、7日目には約64%に低下します。
なんと7日目に至っては64%の的中率しかなく、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の50%レベルに随分と近づいていることが分かります。
一週間先の予報はなかなか当たらないんです。
だから今でも、7日を越えて地域ごとの具体的な天気予報は発表しないことにしています(※参照)。
したがって、天気予報はあくまでも「予報」であることをよく理解したうえで、レジャー計画等アウトドア趣味の参考としてお使いください。
週間天気予報の表示事例
(画像提供:中日新聞社)
⇒週間天気予報の精度の詳細はこちら<気象庁データ>
※法律「気象業務法」の改正により、2012年3月1日からは、10日先までの予報(=10日間天気予報)を行ってもよいことになりました。
ただし、10日先の予報精度は一週間先のそれよりもさらに悪くなるのは当然ですので、その事実を知ったうえで「予報結果」を利用するようにしてください。
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